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小原ガラス　　投稿者： Stewart Squires 投稿日：2021/03/06(Sat) 22:05 No.12601

ガラクマさん。全員。おはようございます。

日本のガラスメーカー、小原甚八さんの話は？

彼が小原のウェブサイトから昭和10年（1935年）に小原ガラスを始めたことを知っています。しかし、ほとんど議論されていません.

ありがとうございました。

Re: 小原ガラス　　 ガラクマ - 2021/03/06(Sat) 22:56 No.12603

Stewart Squiresさん。こんばんは。

日本語で、失礼します。
もちろん、小原ガラスは日本の光学機器に欠かせない存在ではありましたが、海外でもそんなに評価が高いのでしょうか？
1930年前後、やっと国産光学ガラスが大阪工業試験所他で生まれる前は、輸入品に頼ってました。
その頃、すでにショット社からは高屈折率低分散のEDガラスの様なものまで輸入されておりました。

小原甚八氏の事、皆さんご存知でしょうか。お詳しい方よろしくお願いいたします。

Re: Ohara Glass　　 Stewart Squires - 2021/03/07(Sun) 00:52 No.12607

ガラクマさん。全員。

米国には、コーニング、パーキンエルマーなどの光学ガラスメーカーが数多くあります。

大原は、高橋や他の日本の望遠鏡メーカーのために、米国のアマチュアによく知られています。

大原仁八さんは明治21（1888）生まれ。
昭和29年（1954年）に亡くなった可能性のある訃報を見たことがあります。

第一次世界大戦中は海軍造船所に勤務。海軍は光学ガラス製造をニコン工業株式会社に移管。大原氏もニコン工業株式会社に異動。

大原さんが大原光学ガラス工場を始めました。昭和10年（1935年）に大原株式会社に社名変更。

キヤノンは18.4％を所有しています。

私が何かを間違えたならば、私を許してください。

Re: Ohara Glass　　 Stewart Squires - 2021/03/07(Sun) 01:36 No.12608

大原は、アポクロマート屈折望遠鏡用の超低分散ガラスを製造していることを私たちが知っている唯一の会社です（FPL51、52、53）。米国はこれらのガラスタイプを作ることができません。大原はキヤノン、ニコン、ペンタックスのカメラレンズ用ガラスを製造しています。

大原はまた、大型シノプティックサーベイ望遠鏡と巨大マゼラン望遠鏡の鏡にホウケイ酸ガラスを供給しました。どちらもチリで建設中の米国主導のプロジェクトです。

Re: 小原ガラス　　 青色つきこ - 2021/03/09(Tue) 00:20 No.12615

Stewart Squires 様
みなさま、こんにちわ。

1963年には、日本の光学ガラスメーカーは、小原光学硝子製造所、保谷硝子、住田光学硝子製造所、
日本光学工業、富士写真フィルム、東芝化成工業、ミノルタカメラ、千葉光学硝子が知られています。

当時、直接、天体望遠鏡を製造していたのは、日本光学工業のみだと思います。
千葉光学硝子は、1972年頃、EIKOWに会社更生法が適用された際に、EIKOWの経営を引き継いでいます。

光学ガラスメーカー、光学ガラス自体の調査も必要かとは思いますが、まだ、そこまでは調査できていません。

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小原甚八氏については、特別に調べたことはありません。
「篠原三千郎氏を偲ぶ」東京急行電鉄株式会社1954の中に小原甚八
「小原光学硝子の創設者」というものがありますので、それを基に
紹介しておきます。

小原光学硝子製造所は1935年10月1日の設立です。
小原甚八氏の個人会社という形態ですが、実際の創設者は篠原三千郎氏です。

小原氏は次のように記しています。
「私は、学校を出て海軍造兵廠に入り、平野幸輔、芝田理八氏という
光学硝子製造の草分け、大先輩の指導をうけて八年間研究し、後に推薦されて
日本光学へ移り、ここで十四年間研究を続けましたが、小原光学硝子の設立と
ともに請われて入社し今日に至っている」

----------------------------------------------------------------------
日本の光学ガラスについては、「日本窯業総覧」1963から紹介しておきます。

日本における高屈折低分散ガラスの端緒は、1951年から1953年までおこなわれた
光学ガラスメーカーが協同でおこなった工業化試験です。
これによって、先にドイツで開発されたランタン含有ガラスのすべてに相当する
ものが日本でも製造できるようになりました。そして、1960年には高屈折低分散
のものが広範囲にわたって開拓され、日本の光学ガラスの名を高めた。

Re: 小原ガラス　　 （＾０＾）コメト - 2021/03/09(Tue) 11:24 No.12617

ガラクマさん、皆さんこんにちは
Hi！Stewart Squires （＾０＾）

Wikipediaにも紹介があります。↓(^0^;
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%8E%9F%E7%94%9A%E5%85%AB
概ね、今までのレスの内容をトレースしています。

現代の大型天体望遠鏡のガラス素材（超低膨張硝子）をこのメーカは
一手に製造しています。
（＾０＾）は一時この会社の製品を使った事があります。

cf.
以前から製造しているE6に関係する低膨張ガラスはその内部に
取り切れない気泡とか不純物を含有し、また茶色の発色がある為、
レンズ用には向きません。

反射鏡用として有望な素材ですが、他のこの種のガラス材も同様に
して研磨された面には小さな穴が存在する場合があります。
現在は改良されたかもしれません。

社名は株式会社オハラ1985~（OharaOpticalGlass.Inc.1981~）
神奈川県相模原市に本社があります。

Re: 小原ガラス　　 Abbebe - 2021/03/09(Tue) 17:33 No.12618

皆さんこんにちは、光学硝子の融解～供給をしている会社が話題になっているようなので参加させていただきます。200種類以上も存在するカタログ仕様どおりの光学硝子を供給して、光学設計（優秀～そうでもない設計の場合も）どおりの性能を得ることが出来る品質力を持っている日本の光学硝子会社は凄いと思います。（光学設計や研磨会社の加工精度に目が行きがちですが）また新しい硝子材もどんどん開発していて、カメラレンズや屈折望遠鏡の性能が向上して来た根本の理由は光学硝子会社の新硝材開発に有ると私は思っています。私の印象ではシェア1位はHOYA、2位Oharaでしょうか。Sumitaは少し規模が小さいようですが、νd=95（蛍石と同値、旧ED硝子はνd≒80）のSD硝子を初めて世に出したのはSumitaで、ホタロンですね。今、カメラ業界ではHOYAのFCD100、望遠鏡業界ではOharaのFPL53がSDレンズとして（これを新EDとしか言っていない会社も有るのですが）主流で性能向上に大きく貢献していると思います。Sumitaはその後、νd=98とかνd=100の硝子も発表していて蛍石よりも色収差を小さくすることが可能になっています。カメラ業界用ではHOYA、Oharaの新しい高屈折率硝子等も活躍していてどんどん性能が向上しています。CP+の少し後に開催されているOPIE’21（2021年は6月30日～7月2日）に上述やその他の会社の出展が有るので各社の概要が分かると思います。私は各社の歴史には詳しくないので以上です。

Re: 小原ガラス　　原 - 2021/03/09(Tue) 21:48 No.12619

大雑把な流れは、
1914年：第一次世界大戦が発生。日本への光学ガラスの輸出がストップしたため、日本国内での製造が求められた。このとき、小原氏は海軍造兵廠で光学ガラス溶解の研究者だった。このころは坩堝が粗悪でうまく行かなかった。
1918年：第一次世界大戦が終わってガラスの輸入が再開したため、日本での光学ガラス開発はストップした。
1923年：軍事物資の海外への依存が高いのは危険と考えられたので日本での研究を再開し、小原氏はニコンへ入社した。このとき、光学ガラスの試作を成功した。小原氏はニコンのガラス溶解窯の主任となった。しかし、関東大震災が1923年9月に発生し、損害を受けた。
1927年：ペンタプリズムに使える大きさの光学ガラスの量産成功。
1933年：国内需要の６０％を供給できるようになった。
1935年：１５種類の生産に成功。1935年に小原氏は独立して小原光学硝子製造所を創業。
1941年：陸軍から対空特殊眼鏡の曇防止の研究依頼を受けて研究を行った。
1956年（小原氏は68歳）：会社創設者でありながら、光学ガラスの開発に従事していた。
とのことです。

関係資料
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcersj1950/64/722/64_722_C205/_pdf/-char/ja
https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/51779/oep061_1_150.pdf
https://docsplayer.net/115439240-%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%81%AE%E7%B3%BB%E7%B5%B1%E5%8C%96%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%A0%B1%E5%91%8A-%E5%85%89%E5%AD%A6%E9%A1%95%E5%BE%AE%E9%8F%A1%E3%81%AE%E6%8A%80%E8%A1%93%E7%B3%BB%E7%B5%B1%E5%8C%96%E8%AA%BF%E6%9F%BB.html
https://m-repo.lib.meiji.ac.jp/dspace/bitstream/10291/15899/1/shogakuronso_92_4_73.pdf

Re: 小原ガラス　　 Stewart Squires - 2021/03/10(Wed) 22:32 No.12620

回答してくださった皆様、ありがとうございました。
これは、日本の光学ガラスの歴史を理解するのに非常に役立ちます。
良いガラスの不足は第一次世界大戦中に認識されました。ツァイスは一貫して高品質であった唯一のガラスでした。物資は戦争によって中断されました。
チャンス商会はイギリスで光学ガラスを製造しました。
ボシュロムは米国で光学ガラスを製造しました。
どちらも一貫していないか、大量でした。
ニコンは日本で光学ガラスを作ったが、品質はまちまちだった。
戦後、すべてが大幅に改善されました。
海軍造船所から創業までの大原のタイムラインは素晴らしい。

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