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TS式80mmアポクロマート屈折  投稿者: サジモト 投稿日:2021/12/06(Mon) 19:56 No.12936

ガラクマ様、皆さま、こんばんは。
先日、古くからの天文趣味の友人宅を訪れお宝を救出してきました。

国内で販売されたアマチュア向けの天体望遠鏡初のアポクロマート屈折TS-80APOです。
外観はかなり汚れてましたがメラミンスポンジと極細コンパウンドでひたすら磨き
ある程度綺麗になりました。接眼部は全バラしてグリスアップ、タカハシらしい滑らかな摺動
が甦り対物レンズは奇跡的にカビ、曇りもなく程度極上で一安心でした。赤道儀はグリスが固着
していたり赤経微動棒が破損したりで使い勝手が悪く手持ちのGPDに載せています。

この望遠鏡、同時期に併売されていたTS-80セミアポに比べ10万円近く高価な価格設定でおそらく
ほとんど世に出回らなかった逸品だと思われます。
実際、星を見ても小生の駄眼では色収差は全く感じられず所有する8pフローライトよりも
同倍率でエアリーディスクも小さく締まりジフラクションリングも繊細で細くθAurやβOriなど
不等光重星はあきらかにワンランク良く見えます。どのような経緯で開発されたものなのか、
硝材は何を使っているのか疑問は絶えません。

星の手帖VOL37の高橋喜一郎氏の「フローライト開発の思い出」を読んでみましたが
セミアポからいきなりフローライト開発に話が飛んでいて手がかりがつかめませんでした。
なんでもかまいません、どなたかこの望遠鏡についてなにか知っていることがあれば
ご教示願います。





Re: TS式80mmアポクロマート屈折   ガラクマ(管理者) - 2021/12/08(Wed) 21:10 No.12937

garakuma.gif  残念ながら、お詳しいサジモト様に、私も含め新しい情報を提示できる方は少ないかもしれません。

 当時は、セミアポさえも高嶺の花と思っていた私にとって、積極的な情報収集の対象ではありませんでした。
ただ、五藤光学マークX時代の8p屈折のアポの比較対象とされてませんでしたっけ?
「フーン、五藤の方が良く見えるんだ〜」と、情報が少ない時代でしたので、それ以上確かめようがありませんでした。

 今、考えると、宣伝も行き過ぎると小者感を感じますね。タカハシの方が大人だったように思います。

情報なくて、すいません。思いつくまま。です。




Re: TS式80mmアポクロマート屈折   サジモト - 2021/12/09(Thu) 01:18 No.12938

ガラクマ様 こんばんは コメントありがとうございます。

やはり幻に近い本機の情報は少ないようですね。
五藤光学の賛辞集は天ガの広告に掲載された一部抜粋を読んだ記憶があります。
1976年頃でしたか・・・崇拝に近い賛辞で子供心に過激だな〜と

国産アポ創成期?あの時代はいろいろ面白い話が多くボチボチ情報収集していこうと思います。
先ずは何とかして賛辞集は読んでみたいと思います。




Re: TS式80mmアポクロマート屈折   バタさん - 2022/05/05(Thu) 23:56 No.13019

通りすがりです。古いスレに申し訳ありません。
私、1976年に某地方国立大学に入学したのですが、そのとき研究室には既にTS80mmアポ+TS80赤道儀(シンクロナスモーター、三脚仕様)がありました。この望遠鏡、一時的にしろ市販されていたんですね。先輩からはタカハシのアポクロマート試作機1号機だと聞かされており、地方の大学の研究室に憧れのタカハシの試作機があることが不思議でした。
そのTS80mmアポで空の条件も良かったのでしょうか、書籍のイラストでしか見たことなかったエアリーディスクや、じっと止まったジフラクションリングを初めて自分の目で見ることができた感動を今でも覚えています。
屋上のドームには五藤の30cmカセ・ニュートンがあって写真撮影や観望をしていましたが、3回生の頃には同架してあった五藤の10cmF15の替わりにTS80mmアポを載せてガイド鏡として使用していました。80mmアポがよく見えるのは判っていても、アポとは何ぞやの頃でしたし、大口径の魅力には勝てなかったんでしょうね。
今にして思えば、TS80mmアポと五藤10cmアクロマートをside by sideでじっくり見比べしていたら面白かっただろうなと後悔しています。




Re: TS式80mmアポクロマート屈折   サジモト - 2022/05/06(Fri) 19:42 No.13020

バタさん様、幻のTS-80APOの情報ありがとうございます。
私が所有している他にも実際に存在していたことに感動し驚きました。しかも1号機とは・・・
現在、可能な限りレストア及び近代化して現役で使用しております。50年近く前の望遠鏡ですが現行品の
短焦点アポより高倍率での恒星像は優っているように思います。





Re: TS式80mmアポクロマート屈折   阿部 - 2022/11/11(Fri) 09:20 No.13214

ほとんど情報はなく恐縮ですが、『星の手帖』1980年Vol.7のp.19で、高橋喜一郎氏が「セミ・アポクロマートの発売に続いて、アポクロマートの開発に着手した。かなり難航の末ようやく昭和47年に、三枚玉の80mmア(ポ)クロマートを売りに出すことができたが、ガラス材に脈理その他の問題が多く、少数の製造で中止になった。」とあります( ()は阿部が追加しました)。なお同号には、五藤光学太田健太郎氏による寄稿文もあり、その中で、アポクロマート製造における、ガラス材の脈理や歪みを含めた様々な困難に関して詳しく説明されています。高橋氏の文章と併せて読むと、70年代後半における高級小型屈折製造の雰囲気が伝わってきます。




Re: TS式80mmアポクロマート屈折   サジモト - 2022/11/14(Mon) 00:03 No.13216

阿部様、情報提供ありがとうございます。

国産初の市販アポクロマートであればもっと情報があっても良いのではと常々思っていましたが
文面から推測するにある意味タカハシの黒歴史であったのかもしれませんね・・・
『星の手帖』1980年Vol.7何とか手に入れて読んでみたいと思います。




Re: TS式80mmアポクロマート屈折   NGC1999 - 2022/11/24(Thu) 16:09 No.13222

みなさんこんにちは

ご存じかもしれませんが、情報提供ということで。

タカハシのHP→製品情報→1976→TS式天体望遠鏡総合カタログ→最後から二枚目に対物レンズの収差図が載っています。
よく見ると、この中に、新種ガラスを用いたアポクロマートというのがありました。
1976年は昭和51年ですから、昭和47年に発売されていたとすると、それに相当するものとも考えられます。

それにしても、この鏡筒は、よく残っていたと思います。
正にお宝ですね!




Re: TS式80mmアポクロマート屈折   サジモト - 2022/11/25(Fri) 10:33 No.13223

NGC1999様 情報提供ありがとうございます。

タカハシのHPの歴代カタログ→TS式天体望遠鏡総合カタログは存じていましたがこの部分は見過ごしていました。
三枚玉蛍石アポに次ぐ収差補正ですね!球面収差が少なく実視でも高倍率の恒星像は優秀です。
機会があればNGC1999様の五藤標準アポと見比べてみたいものです。
オク等でも見かけたことがないので友人の預かり品なのですが今後も大事にしたいと思っています。

PS....先日の小海では短いで時間でしたがお会いできて感激しました!
貴殿のHP、「昔の望遠鏡で見ています」の熱烈なファンなものですから。
古スコに対する思い入れや詩的な文面に何時も引き込まれて拝読しています。




Re: TS式80mmアポクロマート屈折   Stew Squires - 2023/06/03(Sat) 21:08 No.13381

ガラクマさん、皆さん、こんばんは。
最近タカハシ TS-65D と TS-80 セミアポクロマートを受け取りました。 タカハシTS-80アポクロマートも届きました。 昭和54.2.8(1979年) アポクロマートのEDガラスタイプってタカハシから発売されてたっけ?
セミアポクロマートのガラスタイプを見つけました。 BK1-KzF2-K7。
キヤノンオプトロンはEDメガネを提供していましたか? これは大原だけのものですか? すべての蛍石はキヤノン オプトロンから来たのですか?
ありがとう。 近いうちに写真を掲載します。




Re: TS式80mmアポクロマート屈折   Stew Squires - 2023/06/04(Sun) 21:10 No.13382

アメリカでは、アマチュア天文学者にアポクロマートレンズが導入されたのは昭和56年(1981年)になってからでした。 Astro-Physics は、超低分散の特別な NASA ガラスを使用したレンズを提供しました。 昭和46年にタカハシがTS-65Dを発売してから10年後のことでした。 セミアポクロマートでした。 1 年後には、TS-80 セミアポクラマート望遠鏡とアポクロマート望遠鏡が続きました。

これらの望遠鏡のレンズはトリプレットでした。 TS-65D と TS-80 セミアポクロマートは、KzF2 フリントに基づいた同じ設計でした。 TS-80 アポクロマートは、未知の ED 要素に基づいています。 このレンズに使用されているガラスの種類を調べています。 大原が作ったのか、それともキヤノンが作ったのか?

写真はTS-65Dです。 写真はレンズリングです。 高橋望遠鏡本昭和 51 年 (1976 ) のグラフは、高橋 蛍石 アポクロマート、アポクロマート、セミ アポクロマート、およびアクロマート レンズ設計のカラー フォーカスを示しています。

TS-80の写真は続きます。





Re: TS式80mmアポクロマート屈折   Stew Squires - 2023/06/05(Mon) 09:47 No.13383

1971年にニコンがPC102EDというEDガラスを作り、1975年にオハラがFK01(現在のS-FPL51)の量産を開始し、HOYAがFCD-1を作ったと聞きました。 これらは、アッベ数が約 82 の第一世代の ED でした。

Nikon PC102ED は、1972 年に高橋がアポクロマートに使用した可能性があります。

五藤氏は 1976 年のアポクロマートに Ohara FK01 (S-FPL51) または PC102ED を使用した可能性があります。 HOYAのFCD-1には日付がありません。

高橋氏と五藤氏の使用状況を確認できる人はいますか?




Re: TS式80mmアポクロマート屈折   Abbebe - 2023/06/05(Mon) 18:33 No.13384

こんにちは、Abbebeです。私はTS式望遠鏡についての情報を持っている訳では無いですが、
65mmf1000mmの条件で光学シミュレートによる収差図を描いてみました。

上左.BK7-F2 2枚玉分離型アクロマート
上右.Stew Squiresさん情報 BK1-KzF2-K7による 3枚玉セミアポ
下左.吉田先生の本(1978年)にあるBaLF3-KzF6-K7による 3枚玉アポクロマート
下右.FCD100(SD硝子)-SK5による 2枚玉SDアポクロマート

高橋のグラフ(1976年)とほぼ一致する色収差量であり、
アクロマートからセミアポは半減とまでは行かないレベルですが、
アポになるとグッと性能向上しているのが解ります。
またSD硝子による2枚玉アポは明らかにSDを使わない3枚玉アポを越える性能であることが解ります。

吉田先生の本によるとF15の場合の軸上色収差のレイリーリミットは≒0.5mmなので
65mmf1000mmの条件だと、
アクロマートはc線からF線まではぎりぎりクリア出来ていて、
g線(紫(グラフでは水色))までを考えるとセミアポでもクリア出来ていないが、
アポになるとg線までの5波長全てでレイリーリミットをクリア出来ていることが解ります。

なおSD硝子と蛍石の特性はほぼ同等(νd≒95)と考えて良いと思います。
(HOYA FCD100、OHARA SFPL53、SUMITA CaFK95(ホタロン)はほぼ同等のSD硝子で、蛍石ともほぼ同等の
 光学特性です。HOYA FCD1、OHARA SFPL51 はνd≒81のED硝子で、蛍石には特性的に及ばないです)
蛍石が現れたことで旧3枚玉アポの存在価値は薄れてしまったと思います。





Re: TS式80mmアポクロマート屈折   Stew Squires - 2023/06/06(Tue) 03:30 No.13385

Abbebeさん、おはようございます。

これらのディスプレイを作成し、比較するために非常に多くの素晴らしいデザインアイデアを提示していただき、ありがとうございます。

蛍石の使用による望遠鏡の色補正への影響は目を見張るものがありました。 私たちは ED レンズや蛍石レンズを古い学校や古典的な望遠鏡として考えることはほとんどありません。 このフォーラムで紹介されているもののほとんどは色消しです。

このスレッドを読むと、私たちは時間の経過とともに自分の年齢について考えるようになります。 現在、これらの望遠鏡は色消しレンズよりも優れた補正を備えていますが、蛍石または蛍石に似たレンズほど優れた補正はありません。 しかし、それらは導入時に利用可能であったものよりも大幅に優れていました。

ツァイスは、大正 10 年から大正 14 年 (1921 〜 1925 年) にかけて、初期のニコン望遠鏡の設計に影響を与えました。 ツァイスはすでにアポクロマートレンズ(Bレンズ)を開発していました。 しかし、このレンズはアライメントに問題がありました。

アメリカのマサチューセッツ工科大学では、1920 年代から人工蛍石の研究が始まりました。 蛍石を成長させるプロセスは、1949 年にストックバーガーによって発表されました。

https://en.wikipedia.org/wiki/Bridgman%E2%80%93Stockbarger_method

私は、日本で誰がより良い色補正を目指してこの探求を主導したのかを知りたいと思っています。 ニコンがEDガラスを作りました。 彼らは望遠鏡での使用を高橋に宣伝したのでしょうか? 五藤はプラネタリウム映写機用のレンズを製造しており、ED ガラスの恩恵を受けることになります。 初期の歴史を知っておくと良いでしょう。 アメリカははるかに遅れていたようです。

これらの初期のデザインでは、色補正の品質が重要でした。 古いアポクロマート望遠鏡やセミアポクロマート望遠鏡には、評価すべき点がたくさんあります。




Re: TS式80mmアポクロマート屈折   阿部 - 2023/06/06(Tue) 10:11 No.13386

1976年9月号の天文ガイドに掲載されている五藤光学の広告で、20cm屈折製作の際、小原光学硝子会社からガラスの提供を受けた、とあります。小型屈折にFK01が用いられていたかどうかは明確に書かれていませんが(新種ガラスとだけ書かれています)、FK01が使われていたと推測するのが自然と思われます。




Re: TS式80mmアポクロマート屈折   Stew Squires - 2023/06/06(Tue) 10:36 No.13387

安倍さん、おはようございます
五藤が依然として大型の屈折鏡と反射鏡を製造していたことを覚えておくことが重要です。 この頃(1976年)、五藤が口径20cmのアポクロマート望遠鏡を作っていたことを考えると驚くべきことである。 確かに、より小型の屈折器にもこのガラス (FK01) が使用される可能性があります。 私はあなたの評価に同意します。




Re: TS式80mmアポクロマート屈折   Stew Squires - 2023/06/06(Tue) 11:07 No.13388

こちらが先日届いたTS-80アポクロマートです。 箱には昭和54年(1979年)の記載があります。 しかし、それは1972年に発売されました。高橋の最初のアポクロマートです。 確かに、1977 年の蛍石 90mm アポクロマートは色補正がはるかに優れていましたが、これによりアマチュア天文学者の手には、競合製品よりも少なくとも 4 年早いアポクロマートが与えられました。 頑張れ高橋!





Re: TS式80mmアポクロマート屈折   Abbebe - 2023/06/06(Tue) 12:12 No.13389

Abbebeです。3枚玉アポクロマートの硝材は吉田先生の本の内容とは異なっている可能性が高いようですね。
しかしED硝子(OHARA SFPL51)等使用であれば3枚構成にする必要は無いと私は考えています。

以下は私が勉強した範囲の内容です。
アクロマートは2色色消し(c-F)なのに対して、アポクロマートは3色色消し(c-F-g)で、
3種類の硝材を合計最低3枚組み合わせると可能ということで、昔はクルツフリント(KzF〇〇)とか
重フリント(SF〇〇)を含んだ3枚で検討されていたようですが、ツァイス〜ショットのラインによって
異常低分散硝子(ED硝子)が発明されたことで最低2枚でアポ並の色消しが実現し、
その後にNikon(〜OHARA)もED硝子のカメラレンズを市場に出して訴求して来たということですね。
その後、今度はキヤノンオプトロンがED硝子よりもνdの大きい(分散の小さい)人工蛍石(異常低分散光学材料)
の開発に成功して各社へ売り込んだところタカハシが採用してフローライトアポ屈折天体望遠鏡ということで
大成功したということだと思います。
カメラレンズはキヤノンのみがフローライト搭載訴求、Nikonや他社はEDレンズ搭載訴求という状況でした。
ED硝子とは、OHARA SFPL51 及び同等品のHOYA FCD1 ですね。
(なお人工蛍石製造に極最近(2010年代後半)Nikonも参入したようです)
その後(1980年代後半)、日本のSUMITAが蛍石と同等光学特性でありながら
扱い易い(耐環境にも強く研磨精度も出し易い)硝子ということでSD(スーパーED)硝子の第1号である
CaFK95(ホタロン)の開発に成功し、その後HOYA(FCD100)やOHARA(SFPL53)も追従したということですね。

話はここで終わらないです。
そのSUMITAは2018年にνd≒100(蛍石やSD硝子(νd≒95)よりも更に分散が小さい)のFIR100という硝子を発表済です。
現在大塊対応はまだ出来ないようですがφ70mm位までは供給可能とのことです。
折角なのでこのFIR100を用いてφ65mmf1000mmの条件で2種類の2枚分離タイプをシミュレートしてみました。

左.FIR100-SK5 2枚玉アポクロマート
右.FIR100-BK7 2枚玉アポクロマート

前回投稿4番目、最良性能のSD(蛍石も同等)2枚玉アポクロマートよりも間違い無く優秀ですが、
現物でSDアポや蛍石アポとの差が明確に確認出来るかどうかについては微妙かもしれないですね。
大塊が可能になったところで大型の屈折望遠鏡として比較してみたい!などと私は考えています。





Re: TS式80mmアポクロマート屈折   Abbebe - 2023/06/06(Tue) 14:26 No.13390

Abbebeです。
2枚玉EDアポクロマートの例を示せていなかったので以下に示します。
同条件 φ65mmf1000mm です。

SFPL51(ED硝子)-SK5による 2枚玉EDアポクロマート





Re: TS式80mmアポクロマート屈折   Stew Squires - 2023/06/07(Wed) 02:17 No.13391

安倍さん、おはようございます。 天文ガイドで参考にした20cm望遠鏡の五藤広告の画像を載せていただけませんか? この出版物が見つかりませんでした。

 更新 - 安倍さん、よくわかりました。 投稿文に文章を添えていただけてとても嬉しかったです。 広告の目的を理解するのに非常に役立ちます。

20cmが設置されていた場所をご存知の方いらっしゃいますか? ブログに須田天文台の記載がありましたが、見つかりません。 須田さんは天文学者だったので、彼が勤めていた天文台でしょうか?

ありがとう!




Re: TS式80mmアポクロマート屈折   阿部 - 2023/06/07(Wed) 09:47 No.13392

広告掲載から70年経過しておらず、広告画像をネットにあげると日本の著作権違反の恐れがあるので、ご容赦ください。下記で一部引用します。

「まず、最近開発された各新種ガラスと、ドイツ・ショット社の新種ガラスの光学的性能を利用し、50余種類の光学設計を試み、その結果、国産新種ガラス利用が最良との結論に達し、小原光学硝子会社の技術部長等に相談したところ、写真用等と異なる大型材料だけに全体的な均質性の保証がむずかしいけれども、お互いの会社の名誉をかけてチャレンジしてみようと引き受けてくれて、数回の溶解アニールと、日本ではじめての「ホモ」条件まで満たした完璧なガラスの供給を受け・・・・ついに完成をみたものです。」 (天文ガイド1976年9月号五藤光学50年の成長 世界第一級20cmスーパーアポクロマート機完成)




Re: TS式80mmアポクロマート屈折   Stew Squires - 2023/06/08(Thu) 07:43 No.13393

Abbebeさん、
調査とシミュレーションをしていただきありがとうございます。 また、低分散ガラスや蛍石代替ガラスの開発の歴史についても詳しく教えていただきありがとうございます。

シミュレーションは非常に興味深いです。




Re: TS式80mmアポクロマート屈折   Stew Squires - 2023/06/08(Thu) 20:49 No.13394

ガラクマさん、皆さん、こんばんは。 この話題を日本のアポクロマート望遠鏡の歴史の広範な話に少し移して申し訳ありません。 20cm五藤スーパーアポクロマートはS50年(1975年)に埼玉県朝霞市の須田天文台に納入されたそうです。 五島70周年記念本には電車で行ったと書いてあります。 この天文台はまだ存在しますか?




Re: TS式80mmアポクロマート屈折   (^0^)コメト - 2023/06/09(Fri) 10:52 No.13395   HomePage

utyuujin1.gif Stew Squiresさんこんにちは

この天文台はGoogl地図で検索すると建設会社の名で出て来ます。
「埼玉県朝霞市の須田天文台」で検索してみて下さい。
未だ健在のようで、(^0^)は以前にこの近くの小学校で
観望会をやった事があります。




Re: TS式80mmアポクロマート屈折   じゃんく王 - 2023/06/09(Fri) 12:13 No.13396

king.gif ワタシもかつて朝霞市周辺に勤務しており浜崎通りを車で通ると立派なお屋敷に
不似合いな天文ドームがあることを認識しておりました。
GooglMap でも「須田家長屋門」の敷地内にドームがいまでも確認できます。
住居の窓越しにフジノンの大型双眼鏡があったりしたのを見ていますが
ドームの中にどんな望遠鏡があるのかは存じあげません。




Re: TS式80mmアポクロマート屈折   Abbebe - 2023/06/09(Fri) 18:57 No.13397

Abbebeです。すみませんが、2枚玉EDアポクロマート、
もう1例程示させていただきたいと思います。
凹側はランタンクラウン硝子で、こちらの方がSK5よりも良好ですね。

SFPL51(ED硝子)-LaC14(ランタンクラウン)による 2枚玉EDアポクロマート





Re: TS式80mmアポクロマート屈折   Stew Squires - 2023/06/09(Fri) 21:25 No.13398

コメットさんとジャンクキングさん、
天文台が現在も存在していることを確認していただきありがとうございます。

Goto ED アポクロマートはまだあるかもしれないそうです。

本題に戻りますが、私が受け取った 3 台目の TS 望遠鏡の写真です。 こちらはTS-80セミアポクロマートです。 付属の25mm、12mm、7mmオルソスコピック接眼レンズの標準接眼レンズセットも示されています。

これら 3 台の TS 望遠鏡すべてをすぐに星空の下に出してみたいと思っています。 今は曇り空が多いので少しは厳しいかもしれません。





Re: TS式80mmアポクロマート屈折   いっかくじゅう - 2023/06/11(Sun) 14:57 No.13399

須田天文台は、『天文と気象』1979年7月号10-11ページに「実現した幻の3枚玉アポクロマート 埼玉県朝霞市の須田天文台」というグラビア記事で、須田幸雄氏語自身と天文台の内部の様子が紹介されています。




Re: TS式80mmアポクロマート屈折   いっかくじゅう - 2023/06/11(Sun) 15:00 No.13400

『天文と気象』1979年7月号の記事は、さらにその次の見開き12-13ページに続き、外観や床昇降装置の機構も紹介されています。




Re: TS式80mmアポクロマート屈折   Abbebe - 2023/06/11(Sun) 20:57 No.13401

Abbebeです。
2023年6月11日(日)天体望遠鏡博物館の天文図書室で、
天文ガイド1976年9月号の五藤光学の広告、及び4年後の
星の手帳1980年Vol.7の高橋喜一郎氏の寄稿、同じく太田健太郎氏の寄稿等を
確認することが出来ました。
折角なので画像として投稿させていただきます。
ガラクマさん、問題有るようであれば対応を御指示下さい。

結論として、この20cmスーパーアポクロマートの収差図(図A)は太田氏の寄稿による
五藤光学3枚玉アポクロマート(図4-c)と同一であり、
この望遠鏡は3枚玉アポクロマートですね。2枚玉EDアポではないようです。
五藤光学の新種硝子を用いた2枚合わせアポクロマート(図4-e)というのは別に存在していて
こちらがEDアポではないかと思います。

なお以上の球面収差図はf100mm正規化によるものであり、私が描いたものはf1000mmですから
横軸目盛は10倍異なっていることに注意願います。





Re: TS式80mmアポクロマート屈折   Abbebe - 2023/06/11(Sun) 20:59 No.13402

太田氏の寄稿です。





Re: TS式80mmアポクロマート屈折   Abbebe - 2023/06/11(Sun) 21:00 No.13403

太田氏の寄稿の続きです。





Re: TS式80mmアポクロマート屈折   ガラクマ - 2023/06/11(Sun) 23:31 No.13404

皆様。ご紹介ありがとうございます。
須田天文台の現状についてはご存じの方を探しております。回答があるかは分かりませんが、もう少しお待ちください。


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