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カートン100Eニュートン反射望遠鏡 投稿者:
シグナスR 投稿日:2009/11/07(Sat) 18:02 No.4622 |
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ガラクマさん、皆さん、こんばんは。 このごろ、とてもきれいな月夜が続いています。サラリーマン眼視観望派としては、仕事に影響しないよう、就寝前の短時間に月面を観望するのがやっとの状態です。でも、月は何度見ても見飽きませんね。 さて、今回は、カートン100E型10センチ反射望遠鏡を紹介させていただきます。リサイクルショップから救出して、おおよそのレストアをしてみました。 この望遠鏡は、天文ガイドの広告に「月に始まりつきにもどる」とするキャッチフレーズとともに出ていたのが印象的でした。 実際に覗いてみると、F10の長焦点のためか、切れ味のいいシャープな見え味です。ファインダーに天頂プリズムを内蔵しているのが特徴ですが、これは、使い勝手が良くないです。 接眼部は、二段引き出し型となっていて、とても凝っています。 三脚や、赤道儀のデザインはカートンらしくスマートでいいですね。 広告は天文ガイド1976年8月号に掲載されたものです。
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Re: カートン100Eニュートン反射望遠鏡
ガラクマ(管理人) - 2009/11/07(Sat) 19:49 No.4624 |
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確かに、ファインダーは?ですが、スタイルは最高です。私も欲しいですが、まだありません。 私のように欲しいと思ってる方がたくさんいるようで、たまに見るヤフオクの出物もなかなか1万円以下になりません。 羨ましいです。 |
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Re: カートン100Eニュートン反射望遠鏡
シグナスR - 2009/11/07(Sat) 23:58 No.4628 |
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ガラクマさん、レスありがとうございます。 このカートン10センチ反射ですが、「天体望遠鏡のすべて1977年版」の「メーカーが推薦すめ名機」欄には、「全国の一般のユーザーの方およびモニターの方々の実際の体験から出た意見を十分に取り入れ、観測者サイドに立って設計した」と記されています。L字型のファインダーもそうした経緯で採用されたのでしょうか。確かに、1970年代前半の天文ガイドを見てみると、カートン光学は、天文ガイドで読書からの声を製品に反映させるとして、モニター募集活動を熱心に行っていたことがわかります。 さて、この望遠鏡のそのほかの特徴点を見てみると、赤道儀に極軸の緯度調整スクリューがあることと、バランスウエイトにカメラ取り付け雲台があることが挙げられます。 カートン6センチ屈折に用いられている赤道儀は、これと同型ですが緯度調整スクリューはありません。また、バランスウエイトにカメラ取り付け雲台があるのも、この型だけのようです。 バランスウエイトは鋳物の型から別に作る必要があり、コストがかかったと思います。使いやすいとはいえず、バランスウエイトに突起物があるような感じで、分解して持ち運ぶときも邪魔になります。どうして、このような設計にしたのか「?」です。 写真は、この機種の特徴(個性)であるファインダー部分と架台部分のアップです。
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Re: カートン100Eニュートン反射望遠鏡
ガラクマ(管理人) - 2009/11/12(Thu) 22:29 No.4640 |
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私もこのバランスウェートは覚えがあります。素人目にも使いにくそうなアングルファインダーとスタイルよい赤道儀、ちょっと目を引くウェート雲台。カートン100Eのスタイルですね〜。 ただ、この雲台一眼レフのような重いのは載せにくかったでしょうね。バランス軸とか、ウェート固定ネジなんかは手で絞めたぐらいでは、カメラの重さに負けて回ってしまいそうです。
赤道儀のターンバックルは覚えておりませんでした。いいですね。ますます欲しくなりました。 |
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Re: カートン100Eニュートン反射望遠鏡
呑 - 2010/01/12(Tue) 16:10 No.4843 |
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設計にかかわった者からお答えします。 まず、L型ファインダーから。 日本の反射望遠鏡の接眼部およびファインダーは開口部からみてほとんど右側に付いています(海外は左側が多い) 殆どの人は左目が効き目?(とりあえず私の場合は)で、従来の直視型のファインダーは覗きつらいと学生の頃から思っていました。 (特に冬はほっぺが冷たいし〜) そこで直角プリズムを内臓することを思いついたという訳です。 覗く方向と星の方向が違うので導入しにくいという批判は多くありました。 ニュートン式ですから、接眼部と同じなんですがね。 後期は銅線の十字線からエッチング製のセンターホール十字線になっていたはずです(大きな円は簡易極軸遇わせ用) 極軸のターンバックルは鏡筒とバランスウエイトが重くなった分、微調整をしやすく?(単に高級感を出すため)に、100Eのみに付いています。 他の屈折望遠鏡は8oのボルトで押すタイプ。 このマウントが作られた当初は、緯度調節は付いてなく、極軸受けの12oのナットを緩めるといきなり極軸が今晩はをしちゃいました。 最後に四分の一のネジ付きバランスウエイト。 接眼部にカメラを付けた時を想定し、当時のこのクラスとしては異様に大きくて重い鋳物製です。 鏡筒バンドに雲台を取り付けるより、バランスウエイトにつけたほうがバランス的に優位だろうという考えでした 木脚は当時のこのクラスとしては画期的な1本物です。 少しでもたわみを少なくしたいというささやかな抵抗です。 ちなみに、スーパーノバの頃から斜鏡の調整機構が他社と全く違っていたことをご存知ですか? |
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Re: カートン100Eニュートン反射望遠鏡
白湯 - 2010/01/12(Tue) 17:58 No.4844 |
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シグナスRさんの写真見ながら、脚はどうなってるんだろう、伸縮しないのかな?と 思ってましたが一本脚なんですね。 非伸縮木製脚だと、松葉タイプしか頭になかったですが、これ、いいですねえ。
5×3cmくらいの太さでしょうか? |
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Re: カートン100Eニュートン反射望遠鏡
シグナスR - 2010/01/23(Sat) 17:48 No.4858 |
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白湯さん、三脚の太さ、実際に測ってみました。 架台接合部から5センチくらいの位置で、58ミリ×29ミリでした。 この当時、10センチ反射赤道儀では、タカハシ1型やビクセンのポラリスRも、無伸縮の一本足でしたね。
呑さん、詳しいレスありがとうございます。設計者に携われた方のお話を伺えて、恐縮です。 確かに、ニュートン式では、ファインダーを覗く際、ホッペが冷たいことがありますね。(夏は気持ちよかったりしますが…)。 このL型ファイダーのこだわりは、さすがといいますか、モデル末期まで貫かれています。 添付の写真は、天体望遠鏡のすべて1993年版ですが、カートン製の10センチ反射は、100Eをはじめとして4種類が掲載されています。 いずれも、L型ファインダーです。 次号の1995年版には、100Eは掲載されていませんので、このあたりが最終モデルということでしょうか。 でも、この100Eは長寿モデルでしたね。途中、ファインダーの調整が3点式からXY式に改良されていることがわかります。 斜鏡の調整法は、どうだったのでしょうか、わかりません。 それから、赤道儀ですが、参考までにカートン6センチ屈折用の新旧の写真を添付します。黒が旧型で、青が新型です。 新型は極軸調整ボルトが追加されていますので、ボルトを緩めたときの「おじぎ」の心配がなくなりました。そのほか、赤緯、赤経目盛の指標も違ってます。 こうした、細かいところに改良が加えられていることから、カートンが良心的なメーカーであることが分かります。 そうしたなか、100Eの赤道儀は、はじめからターンバックルがあったので、「おじぎ」の心配はありませんでしたし、特別仕様という感じて、ちょっと高級に見えますね。
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Re: カートン100Eニュートン反射望遠鏡
白湯 - 2010/01/24(Sun) 13:15 No.4859 |
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シグナスRさん、実測ありがとうございます!
>架台接合部から5センチくらいの位置で、58ミリ×29ミリでした。
うあ。手元にあるアピトン材が30mm厚。一皮剥く余裕がありますね(喜) 目安として参考にさせていただきますです。感謝です。
しかし最後の写真。黒と青でこれだけ印象違うなんて…。 ソリッドカラーの白・ねずみ色の赤道儀もかっこいいですが、青もかっこいい。 |
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