>球面収差なんかもとから解決されている・・・ 確かに、球面収差をなくすレンズとしては非球面プラノレンズなどがありますが、 それはレンズの第一面が特別な場合のみであると1番目の論文の序文の中で述べられ ています(shown a rigorous analytical solution of singlet lens free of spherical aberration for the special case when the first surface is flat or conical:第一面 が平面又は円錐という特別なケースのとき単一レンズの非球面の解が示されている)。 これに対し、この論文の特徴は、 「1枚のレンズの第一面の形状によらず、球面収差をなくすようなレンズ設計の一般式」 を得たということではないでしょうか。レンズの第一面が自由形状となることで設計の 自由度を上げる可能性がありそうです(通常、レンズは回転対称性がありますが、自由 形状のレンズはそういう制約もなくなります)。 2番目の論文の序文には、次のように書いてあります; 「この論文では、波面の一つが自由形状(freeform)であり、他の一つが球面のケースを 扱う。自由形状の波面はレンズの第一面により生成され、球面波面はレンズの第二面に より生成される。さらに、我々の研究の継続として、球面収差と非点収差のない自由形状 単レンズの設計のための式を導入する。この式は、入力波面の任意の自由形状の式を与え たとき、その波面により生じる球面収差と非点収差を補正するように出力の波面の正確な 解析的式を与える。」 また、論文の序文のはじめには、Freeform optics(直訳すると「自由形状光学?」)の 説明があり、最近、この話題は光学のコミュニティで評判になっているようです。 尚、1枚の非球面レンズが対象なので、色収差についてはここでは考慮外のようです。