05071258
古スコ広場 
天体望遠鏡、特に古スコの為の掲示板ですが、まあ適当にどうぞ

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【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後  投稿者: ガラクマ 投稿日:2019/05/12(Sun) 22:31 No.11897
garakuma.gif  ちょっと停滞気味なので、切り返して、青色つきこさんやエドさんが突き詰めてきたアストロ光学に関わるお話を続けましょう。
「小島氏のアイデアの源泉とその後」、特に提供できる情報は持ち合わせておりませんが、知りたいところではあります。

 昨日、博物館にR-73が届きました。光学工業になってからのものと思われますが、光学時代の流れを引いています。
気になったのが、ハンドル付ヘリコイド式焦点距離調節機能。
ヘリコイド方式は一般的に、ピントリングを回すとドロチューブだけが直進して伸びる直進ヘリコイドと、ピントリングとドロチューブが回転しながら伸びていく回転ヘリコイドの二つがよく使われると思います。
 R-73のは、ピントリングが回りながら伸びますが、ドロチューブは回転しません。
分解してみる時間がありませんでしたので、どのなっているのだろうと考えていたら、中島先生の記事を見つけました。
なるほど・・・
それにしても、太く長いドロチューブが、がたなく直進し、よくできております。

ただ、それ以降の望遠鏡については、ほとんどが直進ヘリコイドとなっており、なぜこの方式を選択したのか分かりません。





Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   エド - 2019/05/13(Mon) 00:59 No.11898

ガラクマさま 皆様 こんばんは!

フィルム時代のカメラレンズを分解したことがある方もしくは
双眼鏡(一般的なCF式)のピント繰出ネジ部を分解したことがある方なら、
この話題はよくわかるのではないかと思います。

カメラレンズも双眼鏡も、ピントリングを半周ほど回すだけで無限遠から最短距離までクイックに繰り出しができますが、
そのために“多条ネジ”が使われています。
普通の締結で使われるネジはネジ山が一本の螺旋で、ナットを一周させるとネジピッチ分しかボルトが移動しませんが、
多条ネジは複数の螺旋が切ってあり、条数が増える程送り量が増えます。
しかし少量生産における多条ネジの加工コストが高く、これが採用できないとなると、
折衷案としてハンドル回転で左右逆ネジを切ったナット2個を同時に回して2倍の送り量を得る、
という設計にしたということだと思います。
ワイヤーを張る“ターンバックル”と同じ原理ですね。

ラックピニオンと違ってほぼ付加逆で、カメラを取付けても重さで落ちてこない利点がありますので、
やはり直焦点や拡大法のための(贅沢な)機構と思います。

これはいかにも旭光学に在籍していた小島氏らしい機構と思いますし、
アマチュアによる天体写真時代の幕開けを睨んだ意欲作と思います。
ガイドスコープが乗った“2本差し”も本格的です。。。
76mmの小口径にはもったいないと思ってしまうのは野暮でしょうかね〜

後のミザールの旗艦「カイザー」は最近でこそ実際に目にすることがありますが、
その大先輩とも言えるとっても貴重な1台と思います。
(どこにあった固体でしょうかね、信じられないようなミントコンディションですね!)




Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   Stew - 2019/05/13(Mon) 03:19 No.11899

ガラクマ氏と皆さん。 おはようございます。

回転するホイールの細かい焦点を持つこの望遠鏡は、ラファイエット社モデルF-385によって米国に輸入され、そしてArcturisと呼ばれました。 望遠鏡は完全かつ優れた光学系でした。 焦点の微調整は非常に短い距離だったので、粗い焦点に最初に使用されるドローチューブ。

ラベルはアストロオプティカル社のロゴを持っています。





Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   (^0^)コメト - 2019/05/13(Mon) 07:33 No.11900   HomePage

utyuujin1.gif ガラクマさん、皆さんおはようございます。

フツフツと一晩内容を噛みしめておりました。(^0^;
結果、良くぞこんなメカを小型の望遠鏡で採用したなぁ。。
と言うのが感想です。

ネジ送りは機械系には絶対に必要なメカですが、これを動作させる時は
必ずネジ山の噛み合わせに伴う遊びを考慮しないと実現しないメカでも
あります。

この例では多分、機械強度と実用性から角ネジを採用していると思え、
他のメカとは一線を画したプロユースな部分と思います。
所謂、簡単・単純・脆弱な機構とは思えない、他とはアンバランス。

作るにもネジ山が四角なので、噛み合わせの誤差も自由にはならず、
そこが腕の見せ所の感ありますが、マニュアルで製作は難儀で不安定。
ガタをキャンセルするアイディアも組み込まれていると思いますが、
どうやってるんでせうネ?

ましてこんな長い距離を移動させるとなると普通には採用しないかも。。
良くぞ採用に踏み切ったと、メーカを称えるべきかと思います。
以後に拡散しなかったのはその製作難易度からかと存じます。(^0^8




Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   Stew - 2019/05/13(Mon) 09:37 No.11901

コメート氏、そして皆さん。 こんばんは。

ヘリカルファインフォーカサーは、この大きなホイールのファインフォーカス調整から進化しました。 Zeiss Telementorの学校の望遠鏡は、ヘリカルファインフォーカス調整を使用し、ペンタックスもヘリカルファインフォーカス調整を開発しました。





Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   Stew - 2019/05/13(Mon) 22:00 No.11902

Blue.akさん、Edさん、そしてみんな。 こんばんは。

コジマ氏またはアストロオプティカル社によるヘリカルファインフォーカス調整に関する実用新案特許はありますか




Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   ガラクマ - 2019/05/13(Mon) 23:27 No.11903

garakuma.gif PENTAXやミザールカイザー、H-100等のヘリコイドは、ヘリコイドリングは前後方向に動かないタイプですが、アストロのはピントハンドル(ヘリコイド環)自体が手前に繰り出されるタイプです。
これが珍しいと思ったのですが、調べるとBORGのヘリコイドもその機構を使っているようです。
https://www.tomytec.co.jp/borg/products/partsDetail/summary/686

今、カメラレンズのフォーカサー等の直進ヘリコイドは、添付のように凄く簡単です。
http://yamaca.in.coocan.jp/idea2/hrcd-pn/hrcd-pn.html

(HP管理人様、かってにリンクしてすいません)





Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   エド - 2019/05/14(Tue) 01:59 No.11904

ガラクマさま 皆様 こんばんは!

機械設計をやっていた立場からですが、設計というのは結構なりゆき的なところが大きいんです。

ですので、なぜこういう機構にしたのか?というアプローチをされても困ってしまうというか、意味がないというか。。。

あえて言えば“なりゆき”のなかでも影響を受けるのは、過去に見たものの“刷り込み”が大きいんです。

ですので、同じ設計者でもどういう畑の出身かというのが、その人の設計に表れます。

小島氏の歩んだ経験から想像すると、このヘリコイド機構やエキセン機構(ファインダーの調整特許)は自然に出てくると思いますが、

赤道儀の赤緯微動機構をなぜ単純なタンジェントスクリューではなく、ガタの出易いリンク機構で作ったのかが

私にとっての謎ではありますが、それが“当時の考え方”だったと納得してしまえば簡単です。




Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   エド - 2019/05/15(Wed) 01:10 No.11905

ガラクマさま 皆様 (連投スミマセン)

ガラクマさんの質問に水を差すような意見をいて申し訳ありませんでした。

もう少しきちんと回答すると、

直線ヘリコイドでピントリングが移動しないようにするためには、ピントリングをガタなくスムースに回転させる設計が必要になり

ますが、それより筒先側にあるネジといっしょに移動してしまうほうが設計が楽で移動量も稼げるからだと思います。

そこでコメトさんおっしゃるように、オネジとメネジ間の“ガタ”はどうやって追い込んでいるのか?が気になるところです。

オネジ部品とメネジ部品を作業者があらかじめ手のフィーリングによってマッチングしているのは当然として、

H-100のように粘度の高いグリスでガタを吸収すると、冬季に動きが硬くなってしまいます。

ひょっとして黒色アルマイトをかける前に研磨材を入れて、きつ目なペア同志を摺り合わせしているのかも?

あと、Stewさんの質問への回答としては、このアストロのR-73以前に大型屈折望遠鏡でヘリコイド機構を使っているので、

パテントにはならない、という回答で良いでしょうか?




Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   ガラクマ - 2019/05/16(Thu) 21:46 No.11906

garakuma.gif エドさん。皆様

 赤道儀等の機械設計には、時代背景や設計者の意図や経験が見えて、面白いと思います。
はじめにメンテした方によると、ヘリコイドの角ネジの部分は、削りカスが残っていたりドロドロだったらしいです。

 ファインダーについてですが、五藤光学のエロス号(単軸赤道儀)のファインダー調整機構にも工夫の跡が見えて面白いと思います。
小型天体望遠鏡にはまだファインダーがついている機種が少ない時代に、3点調整の採用に疑問を持ったということでしょうか。
後に、青色つきこさんのNo11714の投稿で紹介頂いた実用新案に繋がったものと思います。

[管理者修正]





Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   青色つきこ - 2019/05/19(Sun) 11:25 No.11909

みなさま、こんにちわ。

屈折望遠鏡のファインダーの取付位置は、アストロ光学(株)のT-8型では
接眼筒部分にあります。(T-8型は取扱いが日本光学工業や五藤光学の同
口径機と比較すると楽だったと思います)
(先行して日本光学工業の2吋屈折が接眼筒部分に取り付けられています。)
多くは、アストロ光学(株)のS-5型同様に鏡筒部分にあります。

ファインダーの大きさにより、接眼筒部分の取付の可否もきまると思います。
1960年代に入り、アストロ光学工業(株)のS-5型の鏡筒ではファインダーの
取付位置は接眼筒部分に替わります。どのような経緯で変更されたのかは
非常に興味をもっています。

小島修介氏は、1人で見る分には接眼筒部分にあっても問題ないようなこと
を言っています。ただし、想定として、学校用の2〜3吋の屈折の場合、
そこで教師が生徒に見せる場合には、教師がファインダーで対象天体を導入し、
生徒が望遠鏡本体で対象天体を見るので、教師と生徒の位置関係からは、ファ
インダーは望遠鏡本体の鏡筒部分にあった方が良いと言っています。

概して、1955年〜56年のアストロ光学(株)の製品は、日本光学工業、五藤光学
研究所、日本精光研究所の同口径機と比較すると、全体的に取り回しが良かった
と思いますが.......。

千葉勝雄氏関係の追加情報です。
千葉製作所の広告がありましたので、載せておきます。
アストロ光学(株)同様、量産を謳い文句にしています。
1956年から1957年の極限られた期間のみですが。
小島修介氏の特許には顕微鏡関係のものが1件あり、1957年11月8日公告で出願人
は千葉勝雄氏です。この時期、アストロ光学(株)の代表権が小島氏から千葉氏に
移ります。この特許はアストロ光学というよりも千葉製作所の帰属の意味合いが
強く感じられます。





Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   もも - 2019/05/20(Mon) 00:32 No.11911

みなさま、
こんばんわ、ももで〜す。
ファインダーの取り付け位置の違い、面白いですね。
単純に考えれば接眼部に付けられたほうが簡単そうです。
鏡筒につけるには接眼部の上下に合わせて位置を決める必要が出てきます。
真上よりも左右に角度を付けているのが多いですよね。
さすがに下側に付けるわけはないですが、
穴あけ位置を揃える必要がありますよね。

日本だと右利き眼の人が多いのか、大概は左側につけていますよね。
ニュートン反射でも、日本のと逆に左目でファインダーを覗くようになっているものがありますけど。
ワタシには使えませんですねえ。




Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   ガラクマ - 2019/05/25(Sat) 21:38 No.11918

garakuma.gif ファインダーの取付位置に関しては・・・
 昭和29年頃にはドイツ式赤道儀のエロス号や、6cm、Fl=1200oの赤道儀等が売られておりましたが、鏡筒バンドではなく、バーを引き込んで止める方法(ビクセンのタイタンはバーが赤道儀の方についていた逆パターンでした)で、方向によってファインダーが使い難くなり、鏡筒バンド式ならバンドをゆるめて回転したいところですが、回転できません。
そこで、6cm、Fl=1200oの鏡筒には、接眼部が回転するようになっておりますが、これは接眼部にファインダーがついていないと意味がありません。
(後のエイコー/Swiftはファインダー専用鏡筒バンドで回転できるようになってましたね)
どうしても、この五藤光学の赤道儀架台への取付方法との関係を考えてしまいます。

今日、ヘリコイド接眼部について気がつきました。
R-73のは右に回すと繰り込まれます。ミザールのハンドルは繰り出されます。
蛇口など、普通のネジのことを考えたら、R-73のほうが自然に感じます。
ヘリコイド接眼部は、ファインダーを取りつけにくいですね(できなくはないですが・・)

どっちにしても、接眼部やファインダー(脚、方向調整機能)に拘りがあって、試行錯誤が見えるところが興味深いです。





Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   Abbebe - 2019/05/28(Tue) 00:39 No.11919

ヘリコイドの回転方向に反応してしまいました。Abbebeです。
私の2台の双眼鏡は、ニコン、ビクセン、共に、R-73と同じ右回転で繰入でした。これはカメラの距離環だと、ニコン、ペンタックスの方向です。ところが、キヤノン、オリンパス、ミノルタ、(パナソニック、ライカも)の距離環は、右回転で繰出しなので、カイザーと同じということになります。カメラメーカーのような拘りがあってのことかどうか判りませんが、カメラメーカーの距離環、ズーム環の回転方向(ズーム方向はまた距離環とは別なグループ分けとなる)は面白い世界ですヨ。
それからヘリコイドとはスクリューネジのことで、ピンがカム溝にガイドされて移動する機構はカム式で、構造的には別扱いに考えるべきだと考えています。




Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   ガラクマ - 2019/05/28(Tue) 06:59 No.11920

garakuma.gif Abbebe様。解説ありがとうございます。
正確な言い方では、アストロのはヘリコイドで、ミザールのはカム式ですね。

カメラレンズのピント調整の回転方向については、キヤノンがライカのコピーを、ニコンはコンタックスのコピーのカメラを作り、回転方向が逆のままということを聞きましたが、その前にライカとコンタックスの設計思想の違いは知りません。

アストロはニコンと同じ方向で、PENTAXも同じ。右回りで縮む方向です。
ミザールはキャノンと同じ方向です。
これらの望遠鏡ピント調整機能を設計した方々がそこまで考えていたかは、分かりませんが、興味深いものです。




Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   もも - 2019/05/29(Wed) 23:03 No.11921

みなさま
こんばんわ、ももで〜す。
一般的なネジでいえばですけど、
右回転で繰り込まれる方向ですよね。




Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   ガラクマ - 2019/05/30(Thu) 07:00 No.11922

garakuma.gif ももさん。返信ありがとうございます。

 右回しで繰り出させる理由、理屈を無理やり考えたら、覗きながら回してピントが合う位置(距離)が手前にやってきます。
手繰り寄せているように見えるイメージが、自然ということでしょうか?
分かりません。


青色つきこさん。皆様

 話は変わりますが、青色つきこさんが以前No.11714/11715でご紹介頂いた28056,28057,28058,28059の4件の実用新案で、28056と28058については、鏡筒バンドと微動装置(フレキシブルハンドル?)ではないかと、推定されておりましたが、確か、古老(斎藤)さんも、鏡筒バンドとフレキシブルハンドルは小島氏の考案だと、言っておりました。
 それが、昔から気になっていて、そんな基本的な構造が、その時点で無かったのだろうか?ということです。
ツアイスなどには、すでにあって輸入されていたのではないでしょうか。
青色つきこさんの投稿写真を添付させて頂きます。





Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   NGC1999 - 2019/06/01(Sat) 10:10 No.11923

みなさん こんにちは

 ちょっと話題が変わりますが、五藤ウラノス号とアストロのR51及びS5の対物セルの形状が、似ているようですので、ご紹介します。
 
 まず、ウラノス号でも光軸修正のない4型機とR51です。ともにフードが差し込み式でその支持部が必要ですので、形状が似てくるのは判ります。
 次に、光軸修正装置付のウラノス号3型及び4型機とアストロのS5です。S5のフードはねじ込み式ですが、差し込み式のセル形状と同様となっています。S5は、もっと短いセルにすることが出来たわけですので、基本形としてこの形状を捉えていたのでしょう。

 こう見ると、アストロは五藤から影響を受けているように感じます。





Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   青色つきこ - 2019/06/02(Sun) 11:57 No.11925

みなさま、こんにちわ。

以前に掲載した小島氏の赤道儀と経緯台の兼用架台、所謂、赤経台の実用新案を再掲載します。
S5型の天体望遠鏡の架台で、その後、いろいろ改良が施されます。
1956年1月17日付けの出願で、1958年7月31日の公告です。
実用新案の権利は、マクロ光学です。でも、小松良基氏のアストロ光学工業が、S5型の天体望遠鏡
を製造していたことを考えてみると、この権利は小松氏が買い取ったのでしょうか。
1956年〜1957年に小島氏が考案し申請したものは、(公告が認められるとしたら、2年くらい係るので)
マクロ光学が出願人となって取得したでしょうが、それらがどうなったのかは、不明です。
H5型の天体望遠鏡の架台・ヘリコイドにしても、実用新案の申請がされていても不思議ではないです。
H5型の天体望遠鏡は、望遠レンズにもなる万能望遠鏡で、S5型の赤経台に続く、看板商品だと思われ
ますし。
H5型には極軸の角度調整装置がありますが、先行して日本精光研究所の小林栄道氏の実用新案もありま
す。小島氏は赤道儀と経緯台の兼用架台を念頭においているので、中折れ式の架台になるのは必然だった
のかもしれません。ある意味で、ビクセンのポラリス赤道儀は、小島氏の赤経台の思想を組んだ流れの中
にあります。

赤経台の実用新案の図の鏡筒をみると、接眼筒部にファインダーが付いています。T型(D=50mm f=500mm)
鏡筒はファインダーが接眼筒部に付いているものと、鏡筒本体に付いているものがあります。
10mmファインダーは軽くて、接眼部に取り付けても負担が軽かったと思います。
S型(D=60mm f=910mm)鏡筒あるいは30mmファインダーが接眼筒部に取り付けられるのは、1960年代に入っ
てからで、小松氏のアストロ光学工業からでしょうか。でも、デザイン的には、ここに原点があったのか
と思います。

小島氏のマクロ光学時代に考案したもので公告になったものは、先にも紹介しましたが、相互産業
(英語名称の略記AMA)が取得していました。





Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   ガラクマ - 2019/09/28(Sat) 07:42 No.12029

garakuma.gif グリフィス天文台のツアイス12インチは、あらためて見直すと単軸赤道儀に似てますね〜。
http://www.griffithobservatory.org/exhibits/zeiss_telescope_history.html

1931年製?らしいですが、それ以前からあったのでしょうね。




Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   青色つきこ - 2019/11/30(Sat) 08:46 No.12108

みなさま、こんにちわ。

アストロ光学のS5型には、サンスクリーン(太陽投影板)が付いています。
ダイヤゴナル(天頂プリズム)で90度折り曲げて投影板に投射するものですが、これって、..........。

プリズムで折り曲げて投射するというのは、五藤斉三氏の太陽像投影装置及び映像投射装置、地上接眼鏡に
アイデアの源泉があるのではないでしょうか。

ずっと気になっていたんですよねぇ。

児玉様の「星夜の逸品」の中にも出てきます。実物は、そちらを見ていただくとして、五藤氏の実用新案を
載せておきます。五藤光学研究所の設立前に出しているものもありますねぇ。
改めて、五藤斉三氏、すごいです。
現在も基本的には、私は小島修介氏研究がメインですが、五藤氏の自伝「天文夜話」の小島氏以外の記載
内容について検討することが昭和における"日本の天体望遠鏡"のスタイルを探ることにつながり、面白い
かなと思っております。
でも、小島氏の次というか併行しているのですが

小松良基氏に興味があります。どうして、天体望遠鏡業界に入ったのか。もともとマスコミの方なのに。 
(アストロ光学工業(株)の創業者・初代社長?、独立系映画配給会社の外映、ミツバ貿易の社長?
テレビ朝日の前身 日本教育テレビNET の取締役、1967年没、70才でした)

https://www.domenavi.com/ippin/2014/06_5.html

https://www.domenavi.com/ippin/2014/06_6.html

ファインダーの仕様に口径30mm 倍率6倍を採用したのも、アストロ光学からでしょうか。
双眼鏡の部材流用ですよねぇ。


小島氏のアストロ光学は、五藤光学に対抗して"五藤光学の広告が載っている雑誌"には、アストロ光学も
広告を載せてきていますが、東亜天文学会の機関紙「天界」には載せていません。五藤斉三氏の力が強かっ
たんでしょう。戦前は、五藤斉三氏は東亜天文学会の副会長ですし。
アストロ光学の広告戦略の源泉も、五藤光学でしょうか。並べて見ていくと面白いので、いずれまた。

Download:12108_2.pdf12108_2.pdf Download:12108_3.pdf12108_3.pdf Download:12108_4.pdf12108_4.pdf





Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   ガラクマ - 2019/11/30(Sat) 23:03 No.12110

garakuma.gif 青色つきこさんは、孤高の研究者になりつつありますね。凄いです。
天界の画像はそこそこ持っておりますが、たしかにアストロ光学時代には広告ないですね。

私の手持ち資料の中では、アストロ光学工業になってからの1961年7月号に、五藤光学の前のページに乗っておりました。
小島氏が無くなった翌年。
そこまで何か関係あるのでしょうか?

太陽投影版は、直角に曲げることで遮光版が不要(折り曲げた少しの段差で可能)という作り側のメリットを思ったことはありましたが、五藤光学の投影装置から来たというのは、目からうろこでした。

H5型のドロチューブの太さは、ビクセンのジェミニエータ型の太さと共通するものがあり、ニューポラリス型赤道儀といいビクセンさんも影響受けてたようですね。

[管理者修正]





Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   青色つきこ - 2019/12/01(Sun) 23:49 No.12115

みなさま、こんにちわ。

ガラクマ様、アストロ光学(株)の広告は、確認できた範囲では、

@「月刊教材教具」
A「天文月報」
B「輸出と品質」
C「子供の科学」

の4つでしたが、「科学画報」は、どうでしたでしょうか。

また、「科学画報代理部」が昭和2年に取り扱っていた天体望遠鏡
には五藤光学研究所のものがありましたが、ユニバース天体望遠鏡
について何かご存知でしょうか。

なお、アストロ光学工業の広告は、
「天文月報」1958年3月号が初出でしょうか。
アストロ光学の広告を、社名を替えただけで、同じ内容で載せてい
ました。
「天界」では1959年7月号が初出です。





Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   ガラクマ - 2019/12/02(Mon) 21:36 No.12117

garakuma.gif 青色つきこ 様

科学画報の広告データ持っているはずですが、いろいろな媒体に散らばっており整理ができておらず、初出が確認できません。申し訳ありません。
科学画報の1956年8月と9月の広告を載せます。ちょうど氏の「反射望遠鏡の製作ガイド」の連載が行われていた時期です。

1927年の広告のユニバース天体望遠鏡って凄いですね。同時期の五藤光学のよりはるかに高級に見えます。
私にとってユニバース天体望遠鏡っていうと、ミネルヴァ光学のものくらいですが、20年程後の時代になってしまいます。





Re: 【アストロ光学(株)その8】小島氏のアイデアの源泉とその後   青色つきこ - 2019/12/02(Mon) 23:09 No.12118

みなさま、こんばんわ。
ガラクマ様、ありがとうございました。

「科学画報」の広告内容は、同年同月の「教材教具」のものとは違っており興味深いです。
雑誌が対象とする方によって変えているんですねぇ。

ダウエルも載っていますねぇ。ダウエルは、誠文堂新光社と古くから取引があったのでしょうか。
科学画報や子供の科学の代理部で取り扱っていた自作部品は、ダウエルでしょうか。
それとも、逆だったのでしょうか。その関係が、そのまま天文ガイドにも引き継がれて広告を出していた?

ガラクマ様、どこかで、ダウエルも1958年にラジオ番組のスポンサーになっていたことを記していたと思い
ますが、時間があったら、番組表を調べてみたいと思います。
野尻抱影氏は、ラジオ番組に結構出ていますし、1957年のラジオ東京「星空へのいざない」(アストロ光学提供)
、戦前も出ていたと思います。1960年頃にも出ていたと思いますが。五藤光学の提供で?

ユニバース天体望遠鏡とは、何でしょうか。
井上著「天文小話」というのが「科学知識」の別冊みたいな形で昭和2年に出ているようなので、週末にでも
図書館で調べてみます。何か情報があるかもしれません。
昭和5年の雑誌一覧も見つけておいたので、どんな科学雑誌があったのか、併せて調べてみます。
昭和の初めにも、いろんな科学雑誌があったんですねぇ。驚きです。


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