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アストロ光学と小島修介氏  投稿者: ロッド 投稿日:2018/12/03(Mon) 14:08 No.11459

皆様、お久しぶりです。
数年前に投稿したときには本名の渡辺でしたが、また昔と同じ「ロッド」名で、宜しくお願いします。
まあ、どちらでも良いのですが。

下の方にレスすれば良いのかもしれませんが、この掲示板のシステムがまだよく理解できていないので、新規投稿にさせていただきました。

私はアストロ光学の大ファンですので、とても興味深い数々のお話、本当に嬉しく楽しく拝読しました。

そこで、皆様の今後の調査に役立ちそうな情報をこちらに。
1)小島修介氏とリアルタイムで交流があった方ですが、
ビクセン会長、新妻 貞二氏
昔ちょっとお話したとき「ああ、小島修介さんネ」ニヤリと笑ったお顔がちょっと意味深でした。
小島氏は社交的で面白い方だったのでしょうね。
このときは詳しいお話は聞けませんでした。

2)アストロ光学社長、冨所雅之氏
昔、望遠鏡販売店でお会いして名刺をいただきました。
10年ほど前のジャンク市でアストロ光学を訪問したときには、長時間お話する機会がありました。
小島修介氏については、
「一升ビンを横に置いて、飲みながら徹夜で望遠鏡の設計をしていた」そうです。
しかし冨所氏の年齢からすると、たとえば高卒で入社したとしても小島氏と一緒にお仕事をしたことはあったのだろうか?
小島氏は大変な影響力を持つ有名人だったので、いろんな噂話があるようです。

アストロ光学へ行くと、一番目立つ場所に歴代社長の写真が額に入って飾られています。
ところが、肝心の小島氏の写真が見当たりません。
私が尋ねると、あまり答えたくない様子でお茶を濁されました。

あと、初回の石川町スラーライトフェスティバルで、青木さんだったか?(お名前に記憶違いがあるかもしれません)
アストロ光学の社長さんと親しくお話させていただいて喜ばれ、天頂プリズムを1個頂きました。
私のミザール・エース型を見て懐かしそうに、
「これは年代物だねぇ」
と言っておられたので、これも元々はアストロの設計?

会社にこの方の写真はあったと思います。
日本アストロドームの小森氏の話も出ましたが、嫌っている様子でした。
当時はアストロ光学とは仲が悪かったのでしょう。
現在のアストロ光学の業務は日本アストロドームを引き継ぐ形ではないかと推測されますが。
冨所氏の話では、青木氏はその後学校法人の経営もされていたとか。

あと赤道儀については、
S-5(LN-4E)、R-61D、R-51は小島氏の設計だそうです。
他の数々の赤道儀・経緯台も、私の推測ですが、小島氏の設計が多いのではないか?と思います。
短い期間で実に多くのお仕事をされた、まさに天才的な方だったのだと思います。
ちなみにR77は別の人だそうです。(冨所氏談)

60年代の他社製品にも小島氏の設計とそっくりの物が多いですが、コピー商品もあったのではないでしょうか。
または鋳型は共通だが、加工・組み立てした会社が違うとか。
外観はそっくりでも、他社製品はアストロに比べると細部が違っていたり、加工が雑だったり、欠点が多かったりします。

あと、謎なのはエイコーとの関係です。
「天体望遠鏡のすべて’79」エイコーのページに「これは小島修輔氏の設計です」(ここでは修輔という文字が使われている)と記載がありますが、本当でしょうか?
このエイコー赤道儀はφ12メインシャフトのネジピッチがアストロとは違い、高橋と同じです。
この点については、冨所氏に質問しましたが「知らない」という答えでした。

エイコー赤道儀は輸出用として作られ、日本テレスコープ社やスイフト社の物と共通性がありそうです。ですから高橋との共通性が高いのでしょう。
同じ小島氏の設計だが、他との差別化をはかるために、ネジのピッチを変えたのかもしれません。

あと、池袋本町にあった頃のアストロ光学ですが、
80年代に私は北区西ヶ原に住んでいましたので、歩いていて偶然前を通り発見しました。
記憶はおぼろげですが、木造の古い大きな家だったと思います。中では盛んに望遠鏡を作っている様子でした。
すぐ近くに線路があり、埼京線北池袋駅の近くでした。隣が板橋駅ですので板橋と言っても良い場所です。
R101がズラリと並んだ広告の、撮影に使ったと思われる公園もありました。
広告の撮影と言えば、アストロの広告に登場した人物はみんな社員とその家族だと、アストロの社員の方が話してくれました。
「アストロのお姉ちゃん」は私達天文ファンの間ではアイドル的存在でした(笑)
15cm屈赤の横に立つ小柄な男性は冨所氏です。小柄なので望遠鏡が大きく見えて良い、とよく広告に起用されたのだそうです。
営業マンとしてアストロを背負って立つお立場でしたし。

他にパノップ光学は何度も訪問しました。普通の民家を改築したような感じでしたが、奥のほうは工場になっているらしく、社長さんにはマクストフレンズの研磨の話などうかがうことができて楽しかったです。
反射鏡の量産には自信があると言っていました。

今後も、皆様の昔なつかしいお話に期待しています。





Re: アストロ光学と小島修介氏   エド - 2018/12/04(Tue) 20:33 No.11460

ロッドさま 皆様

貴重な情報、ありがとうございます。
70年代にいろいろな交流を経験され、うらやましいです。
これからもどんどん情報をお願いします。

アストロ光学工業の歴代社長の写真ですが、同じ社名とマークを使っているのですから、開祖的存在である小島氏の写真も小さく飾ってあげれば良いのにな〜と思いました。
小島氏シンパの野尻先生や村山先生と、そうでない人々との間に評価のギャップを感じます。

私も70年代に穴のあくほど眺めていたアストロのカタログのナッパ服のオネエチャンをアイドル視
していたなんて!すごいアストロ愛ですね!
昔、私が配属された工場にもナッパ服のオネエチャンが数百人いましたが、、、今はもう見なくなりました。
中小企業はプロのモデルを使わずに社員を使うなどして経費を節減しても、逆にリアルで好印象という例ですね!
(古スコにパツキンはいけません)
15センチのモードラを持っている人物が富所氏とのこと、長年の疑問が解けました、ありがとうございます。





Re: アストロ光学と小島修介氏   ロッド - 2018/12/04(Tue) 23:09 No.11461

エド様
コメントいただけて、とても嬉しいです。
私は今は故郷の長野県在住ですが、東京が第二の故郷と思うほど大好きで懐かしいです。
エド様は根っからの江戸っ子のようですし、どうぞ宜しくお願いします。

昭和30〜40年代の東京は世界に誇る光学のメッカだったんですね!!
そういう土地に住んでみて、いろいろとメーカー探訪・見学をして、本当に良い勉強になりました。
板橋界隈は、とくに面白いですね。
玩具的メーカーが多かった荒川区や足立区も面白い。

あわよくば、自分で光学メーカーを立ち上げたいと思った事もありますが、時代が遅すぎました。
あと15年早く生まれていれば、面白かったかもしれません。(私はガラクマさんと同世代です)
大好きな事も仕事にしてしまうと、きついので、
趣味として楽しむのが一番ですね。

久しぶりにこのサイトを訪問してみて、
とても感銘を受けたのは、エド様はじめとして皆様方が、
光学器械を生活の糧としている人々の、人間模様にスポットライトを当てておられる事です。

とかく我々のような望遠鏡マニアは、器械の興味そのものに終始してしまいがちですが、
私達が無限の楽しみを感じている天体望遠鏡を、
苦労して作って、そして苦労して売って、
そして社員や家族を養っている経営者諸氏のご苦労の事、忘れてはいませんか?
と、問いかけたかったのでした。
中小・零細企業は苦労が多いんですよね。
よっぽど望遠鏡が好きじゃないと、やってられません。

私の場合は元々はタカハシが大好きでしたが、
アストロの真価がわかってきたのは、最近の事です。
小島修介氏がアストロ光学の創業者だと知ったのも最近です。
世界を制覇した日本の望遠鏡業界の謎というか、ドラマというか、人間模様がやっとわかってきて、とても感銘を受けています。

ビクセンの黎明期、1969年エーターカスタム発売の頃です。このモデルさんは当時の社長さんのお子さんかもしれませんよ♪お顔が似てますので。
とても微笑ましい写真だと思います。

これによってビクセンは三脚も架台も太く頑丈に!「脱、小島修介」でオリジナル路線を進み始めました。

ちょっと今すぐには画像を準備できませんが、70年代にビクセンがグラスファイバー製のドームを売り出したことがありました。その横でポーズをとる”謎のミニスカ美女”
これが仲間内で話題になったことがありました(笑)
この頃から各メーカーはモデルさんを雇うようになったようです。

カートン光学や五藤光学の広告にもナッパ服の女子社員が出ていましたよ♪
やっぱり真面目そうで地味な、ナッパ服のおねえちゃんが清潔感あって魅力的です。

五藤光学は、マークXの極望レチクル交換のため、訪問したことがありますが、清潔感があって対応は丁寧で真面目で、とても良い雰囲気でした。

冨所さんは、とても紳士的で品が良く人間的にとても魅力ある方です。
10年前のアストロ光学ジャンク市のときには、訪れた多くのアストロファンの皆さんと車座になって、お茶を飲みながら昔話に花を咲かせてとても楽しそうでした。
機会があれば、またお会いしたいものです。

あのときお聞きするのを忘れましたが、天文が好きで入社されたんでしょうか?(昭和35年入社らしい)
新卒で入社され、長年ご苦労が多かったと思いますが、以来アストロひとすじで社長さんにまでなられたのは素晴らしい事で、本当に尊敬します!!
たぶんあの方なら、天文学には深い知識をお持ちだと思います。
他メーカーの重役さんには、星や天文にはまったく興味がない方も意外と多くおられます。残念な事です。

PS;「アストロのおねえちゃん」ですが、
アストロ光学ジャンク市のときに、似たような顔のオバサンがいたんですよ。
それで「もしかして、あの人ですか?」
社長さんに尋ねてみたら、一瞬顔が曇って「違います!」
ジャンク市で販売していたオバサンは、大柄な方でしたし、ナルホド少し違いました。
私の勘ですが、あのときの反応からして今は社長さんの奥様なのかもしれません(笑)





Re: アストロ光学と小島修介氏   青色つきこ - 2018/12/05(Wed) 00:41 No.11462

ロッド様、エド様、みなさまこんばんわ。

ロッド様の以前の書き込みは、拝見させていただいておりました。
今回、また、書き込みが読め、非常にうれしく思っております。
是非、いろいろなお話しをお伺いしたいです。

エイコーが、小島氏が設計したものですという広告を載せていたのは、覚えていましたが、
それが、天文ガイドだったか、定かではありませんでした。「天体望遠鏡のすべて」でし
たか。その時は、エイコーが小島氏の流れを汲む会社なのかなぁと、思った覚えがありま
すが、今は、無いと思っています。
関係があるとすれば、千葉硝子 時代でしょうか。
アストロ光学が、光学ガラスをどこから仕入れていたのか、興味があります。
(昭和の初めに設立 エイコー → 昭和40年代に千葉オプティカルが引き継ぐ → 
日野金属を吸収しミザールに社名変更 → 現在のミザールテック)

小島修介氏については、評価が分かれてというよりも、好き嫌いがはっきりしていると
いうか、接点があるのに、不自然なほど、著書で、ふれていない方もおられます。
不思議です。




Re: アストロ光学と小島修介氏   ロッド - 2018/12/05(Wed) 02:56 No.11463

青色つきこ様
コメントありがとうございます。
珍しいお名前ですが・・・男性ですよね。
昔の私の事も覚えていてくださって、嬉しく思います。
私の名前”ロッド”は18年前でした。エイコーの114mm反赤を入手したときの喜びで、つまり「ロッド式」反赤という意味なんですよ。
早速このサイトにご報告したんです。
「双眼鏡・天体望遠鏡ガイド」ダウエルのページに同型機が載っていて「ロッドにより鏡筒が伸縮・・・」
と書かれていたのが元なんです。
下に写真をUPします。私はエイコー、アストロ、カートンが好きなんですよ。

ガラクマさんがお仕事で長野へ来られたときには、お会い出来てお酒を酌み交わして深夜まで話が尽きませんでしたし、原村のイベントでもお会いできました。

ガラス材の仕入れ先は重要ですよね。
屈折率に不整があると、どんなに精度良く研磨しても収差が出てしまいます。
反射鏡は面精度つまり研磨技術で決まりますが、レンズはガラス材の品質と設計で決まると言っても過言ではないと思います。研磨技術はその次かな。
また、単品製作と量産とは全然別のノウハウが必要だと思います。
最近の技術の進歩はめざましく、私はとてもついて行けません。

70年代のS報社のガラクタ市で、アストロのジャンクレンズ(76/910)を入手しましたが、
「脈理」と赤鉛筆で書かれていました。
組み立てて星像テストをしたら、ぼかした恒星像に小枝のような模様が見えました。
しかし、色収差や球面収差はほとんど無くて、非常に良く見えました。
アストロの品質管理のレベルの高さを見て驚きました!
仕入先ですが、三島市の堀口光学に依存ですが、かなり吟味していたはず。
エイコー77mmのレンズもたぶん同じ堀口光学製だと思います。という事は千葉硝子?
私が子供の頃に見たエイコーのカタログには「ガラス材からレンズまで一貫して自社生産」と書かれていました。
私のエイコー77/10002本とも、素晴らしいレンズです。(しかし私の50mmは不良品でした)
アストロ76/910、76/1200、2本持っていますが、同等です。「普通のアクロ」ですが、ドーズの限界は余裕でクリアするので、セミアポとかアポとか高価なレンズは必要ないと思います。

エイコーは謎というお話、私も共感です。
初めての望遠鏡がエイコー5cm屈経でしたが、昭和11年創業とか、ダウエルとの関係とか、わからない事ばかりです。
エイコーの反射鏡の下請けが、長野県中野市の麓光学だったらしい、という事はつかめていますが、真相は不明です。
麓光学には、うちの親戚が子供を預けていました、託児所だったんです。
ここには「ロッド式114mm反赤」が華やかに飾られていました。道路沿いにショーウィンドウがあったんです!
最近行ってみたら、もう撤去されて跡形もありませんでした。

私が知っているのは「エイコーは営業が強い!」
という事です。ルーペなど細かい物まで、地方都市の隅々まで売り歩いていました。(実は私も同業者の営業マンでした)

画像は、自分でレストアしたエイコー77mm屈赤架台です。
これも小島修介氏の作品でしょうか?
すごく美しい製品だと思います。
他のどれよりも実用的で、軽量しかも頑丈です。
だから、いつも常用しています。
しかし赤緯軸の軸受パーツ(ウェイト軸ネジ込み部)がアルミで弱いです。アストロは真鍮製です。
上に書きましたがネジのピッチも違います。

望遠鏡メーカーはどこも小さな会社なので、
経営は厳しいと思います。
ですから、いろんな勢力に飲み込まれたり見捨てられたりして、波乱万丈の状態だったと思われます。
ミザールは一時期すごく売れたのが、かえっていけなかったのかもしれません。
そして販売店に人材が流れ・・・しかし
2年前にS報社が閉店したのには、私はガッカリしました。大好きなお店だったんですよ。
高橋とビクセンは昔から堅実にやっていますね。
ケンコーは?営業・経営基盤が強いです。





Re: アストロ光学と小島修介氏   もも - 2018/12/06(Thu) 22:19 No.11464

ガラクマさま、みなさま。
こんばんわ、ももで〜す。
ワタシも初めての天体望遠鏡がエイコーの5cm経緯台でした。
田舎町の福島のデパートで売っていたのです。
それも営業力だったのですね。
感謝です!!
更に地元の町のカメラ点にも天体望遠鏡があったのですが、
今となってはどこのメーカーの製品だったかは知る由もありません。
その天体望遠鏡の足元にガラスメーカー(保谷かなあ?)の、
光学硝子のブロックが置いてありました。
大きさは一辺20cmくらいだったでしょうか?
いや、子供の目からはそのくらいの大きさに見えたのかとは思いますけど。
それもこれも、今の光学製品とは違ってキラキラ輝いて見えたものです。




Re: アストロ光学と小島修介氏   ガラクマ - 2018/12/06(Thu) 23:17 No.11465

garakuma.gif  ロッド様。皆様。
書き物に忙しく、自分の掲示板にもご無沙汰で、失礼しております。
ロッドさんの久しぶりの登場に、出尽くしたのではないかのではないかというところで停滞ぎみのところが、カンフル剤が投入されました。

 先日、エドさんというか、某所で見せて頂いた看板。出していいのでしょうか?
エイコーにはすごい歴史があったようで、出遅れて見逃してしまい残念です。





Re: アストロ光学と小島修介氏   青色つきこ - 2018/12/07(Fri) 00:47 No.11466

みなさま、こんばんわ。

私が子供頃、地元の百貨店にはエイコーの望遠鏡が展示されていました。
9センチ反射経緯台でしたが、百貨店に卸せるほど、エイコーの営業力はす
ごかったんですねぇ。ロッド様の望遠鏡は、長焦点メインでしょうか。
エイコーは77mm、アストロ光学工業は76mm。要は、三寸望遠鏡なのでは。
五藤光学は75mm、日本精光も75mm。ケンコー76mm、カートンは77mmだった
でしょうか。なんか、不思議です。

ガラクマ様が看板を出してくれましたので、ちょっと千葉光学硝子について、

千葉光学硝子(株)
昭和33年3月22日創立、アストロ光学工業の設立(S33.2.7)後で、堀口光学の
設立(S33.5.30)の前です。
資本金1,400万円です。
本社は千葉県印旛郡、東京営業所は千代田区西神田でした。
営業品目は光学機械用硝子製造販売。
関連会社がいくつもあったようです。
その一つが、
(株)千葉オプチカル です。
創立は昭和39年3月1日、本社は豊島区長崎です。
営業品目は光学硝子、光学プレス製品、光学レンズ製品、双眼鏡各種販売。
(「光学産業名鑑 1965年度版」より)

元の(株)エイコーは、昭和11年10月の創立で本社は文京区元町で、自社
ビルだったのでしょうか。エイコービルになっています。
営業品目は輸出向、内地向(双眼鏡、顕微鏡、オペラグラス、天体望遠鏡、
その他光学諸機械並に玩具製造)

私、元のエイコー、そして、千葉光学硝子にも大変興味があります。
千葉光学硝子という名前は、(ごめんなさい)表にあまり出てこないと思い
ますが、天体望遠鏡界を牽引していたんだとつくづく思います。




Re: アストロ光学と小島修介氏   ロッド - 2018/12/07(Fri) 03:09 No.11467

ガラクマさん、いやガラクマ様。
大変ご無沙汰してしまいました(^_^;)
「様」は、ちょっと堅苦しいですね。
元々はご気楽サイトという事だったのに、いつの間にか雰囲気が変わってしまったような。
昔に比べ、かなり高尚でハイレベルのお話が多くなったと思います。

私の場合は皆さんと専門分野が少々違うような気がします。
技術系の事はすごく興味ありますが、営業部でしたので主にお金のやりくりの事。原価・利益・金利・集金・広告・キャンペーン・人材派遣・デッドストックの処分。
これはドロドロした世界で、イヤですが避けて通るわけにはいきません。

初めての天体望遠鏡、エイコー5cmを手にした頃は、エイコーはすごく勢いがありました。
取り扱っているお店が多かったので、父親が買うときに他に選択肢が無かったのではないかと思います。
メガネ店、カメラ店、文具店、すべてエイコーでしたよ!!
すごい営業力だと思います。
しかも「エイコー宇宙友の会」を組織して、
天文普及活動に力を入れていて、全国で講演会とか観望会を開催し、しかも新天体発見などの天文ニュース速報をハガキで会員に送付する「エコファミニ」を発行していました。

ちなみに、ビクセンはカメラ業界中心、アストロ・カートン・ミザールはメガネ業界のみです。

各メーカーの成長および衰退は、人材の流動によるところが大きいと思います。
この業界、人の流動が大きいので、担当者が変わると方針も製品もコロコロ変わります。
まあ、これは中小企業の宿命ですけど。

上にも書きましたが、エイコーの68年頃のカタログには「当社は光学ガラスの製造から一貫した自社生産」
そう書かれていたのが、今になってようやく意味がわかりました。
文京区本郷に本社があって、結構立派なビルだったようですが、工場はどこ?
たぶん外注していたのではないでしょうか?

昭和11年創業から戦前はどんな仕事をしていたかわかりませんが、千葉硝子の傘下に入ってからは勢いがついたのではないでしょうか。

これは私の推測ですが、
元々は五藤光学から独立した堀口光学への光学硝子の供給先が千葉硝子だったために、その販路のひとつとしてエイコーが選ばれたのではないかと。
これは千葉硝子の指導だったと思います。

そして、赤道儀は小島修介氏の物を使おう。
ところが小島氏はすでに他界されていて、残されたのは大量の図面のみ。
アストロ光学とは派閥が違うので、独自に生産ラインを立ち上げて(どこかの下請けに発注)作ったところが、
イマイチ詰めが甘くて、ウォームホイールの材質は経年変化で膨張して固着するし、赤緯軸の抜け止め兼軸受パーツはアルミ製で弱くて、すぐに緩んでしまって、横からのイモネジを強く止めようにもネジがバカになってしまいそうで強く締められない。
(ここは2止め3点止めにすれば解決できますが、加工コストがかかります)
リンク機構の赤緯微動はガタが多すぎる。これは後年普通のタンジェントスクリューに改良されました。
冨田弘一郎氏のテスト記事にも書かれているように、リンク式は本来ガタが出にくい優れた基本設計であるのに、作った工場の詰めの甘さが出てしまっています。

アストロ光学で作れば、もっとずっと良い製品になったかもしれません。
それでも、さすがに小島修介氏の設計思想は優れているので、そこそこ良い製品になっています。

私の手元にある他社製品(多分コピー商品)と比べると、重量が軽いけれども振動が少ないです。
微動も粗動もスムーズで、使い勝手が良い。クランプの操作性も良い。

これをベースに完成度を高めたのが高橋製作所です。
さすが高橋さん!お目が高いですね。
これをベースにして進化させて、素晴らしい製品をたくさん世に出しました。

エイコーは資本力はあったが、ブランド力がなかった。
それで、ミザールを吸収合併して社名を変更したのでしょう。
私はエイコーのままで良かったと思っていますが。

H100とかニューアポロの時代に、ミザールは爆発的に売れて、さらにシステム赤道儀AR-1を開発して業界をリードしていました。しかしなぜ経営難に陥ってしまったのでしょうか?


もも様へ
昔はメガネ店に光学ガラスの塊が展示されていましたよね。とても美しく輝いていました。
アレを切り取ってレンズを作るというのは、ちょっと想像がつきませんでした。

同じエイコーの5cmですか。
当時1万円もしたので大金でしたが、私のは不良品で星が虹色の尾を引きました(~_~;)
今もレンズだけは手元にありますが、どんなに調整しても良くはなりません。芯取り不良のようです。
それで屈折望遠鏡がイヤになり、ミザールH-100を購入して初めて素晴らしい宇宙の神秘に触れました!

以来ずっと反射党で自分で研磨もしましたが、最近は中古望遠鏡を安価に入手できるようになり、屈折望遠鏡の本当の良さを知りました。
今、手元にφ11cm光学ガラスBK7とF2があるので、これを自分で研磨してF15のアクロマートレンズを自作するのが今後の目標です。
レンズは反射鏡と違ってメッキしなくても星が見られるし、納得がいかなかったら星を見ながら何度でも修正研磨できるのが利点ですね。
完成まで3年ぐらいかかるかも?(汗)


青色つきこ様
興味深い情報ありがとうございます。
千葉オプチカルの住所が豊島区長崎ですか!これは面白くなってきました。
私が池谷さんの薦める反射鏡メッキの依頼先、甲子光学へ再メッキを依頼しました。住所は豊島区長崎でした。
ここが窓口になっていただけで、実際にメッキをしたのはジオマテック(旧松崎真空)でした。

76mmという口径ですが、3インチです。
元々が国内販売用ではなく輸出用として作られて、その「お余り」が国内販売に回されたのが現状ですから。
ケンコーは76.2mmという表示でしたし、75、76、77各社各様ですが、実物を測定してみるとだいたい同じです。
1mmぐらい小さくてもクレームの対象外ですから。
口径や焦点距離の誤差とか、一応は基準の範囲内におさまっています。
これを逆に使って、故意に表示を変えて他社との違いを演出するのはメーカーの常套手段です。実は製造所が同じだったりします。それを隠すためです。

各社とも”自社生産”を謳っていますが、そんな事をしていたらコストが膨大になり高品質も保てず、とても採算のとれる商品ではなくなってしまいます。

表舞台に出ることがない下請けメーカーの実力が”光学ニッポン”を支えていたのだと思います。

しかし困った事に、エイコー77mmは鏡筒内の遮光環の位置が悪く、有効径は約60mmしかありませんでした(苦笑)
これは私が入手した2本とも同じだったのです!
完全にこれは製造所のミスです。
対物レンズの収差を隠すためかと思いましたが、自分で直して全口径使えるようにしても、とても良いレンズです。

さて、画像はガラクマさんの大好きなカートン光学です。
ところで、この初代コメットシーカーはほとんど見かけません。希少価値ですね!
カートン光学は、台東区上野ですが地図を見ると御徒町駅、アメ横の近くです。
東京のド真ん中ですが、真面目そうで地味なおねえちゃんですね。好感が持てます。
東北地方から来たのかもしれませんね。
「ああ上野駅」というナツメロを思い出してしまいます。
昭和は遠くなりにけり・・・ですね。
ちなみに、カートン光学だけは訪問したことがありません。





Re: アストロ光学と小島修介氏   ロッド - 2018/12/07(Fri) 18:10 No.11468

追記です。
今、2つ前のスレをよく読んでいたところです。
先日は全体にざっと目を通した程度でしたが、しっかり読んでみてあらためて驚きました!
ものすごく綿密な調査をされていますね。
↑に私が書いた事は単なる憶測ですから、恥ずかしくなりました。

そこで、10年前のアストロジャンク市で買って来た、小物レンズ箱の中から見つけた古いラベルをここに。
勿論アストロの取引先です。
たぶん今は無いと思われる、この会社は何を作っていたのでしょう。アイピースかプリズムか、スケールが刻まれたレチクルか?

ついでにエイコーの本社ビルも。
天ガ’68年2月号より。





Re: アストロ光学と小島修介氏   エド - 2018/12/07(Fri) 22:04 No.11469

皆様 こんばんは!

話題がアストロから“エイコー”と“カートン”へ移行しているようですが、
エイコーの話題で深耕しはじめるとアストロ以上に覚悟を決めてかかる必要がありそうです。
相当な下準備をしてから専用のスレをたてる必要ありと思いますが、いかがでしょうか。
カートン本社は数年前偶然前を通りかかりましたが、昭和レトロな小さ〜なビルでひっそりやっている感じでした。
カートンに限らず上野徒町界隈全体がそういう雰囲気で、「取り残され感」強いです。
逆にそういう雰囲気を味わうにはうってつけのエリアですが(佐竹商店街とか、、)

エイコーが自社ビルを持って本社としていたのはすごいですね。
昔の文京区本郷1−10は順天堂大学の北隣で、白山通りから神田川に向かって急坂になっており、
その写真でも坂地であることがわかります。

カートンのコメットシーカーのモニター応募数が4万8千通というのはすごいです。
20人にひとりが応募したとしてもざっと100万人!
それだけ世に天文少年がいた時代だったんですね。(子供だった我々もそのひとりと)
私もそのコメットシーカーは全体のバランスが良くカッコイイ〜と思っていましたが、
「6センチでどうやって彗星をさがすのか?」と冷静に思う部分もありました。
今はそのシリコンクロスだけ所有しています(写真)





Re: アストロ光学と小島修介氏   もも - 2018/12/07(Fri) 22:16 No.11470

みなさま。
こんばんわ、ももで〜す。
そうそう!
小口径で何でコメットシーカーなの?
短焦点なだけ・・・だったのでしょうけど。
それでも魅力的なシルエットではありました。

一時期?公共天文台などに大型機材を納入していましたけど、
今はどうなんでしょうねえ?




Re: アストロ光学と小島修介氏   エド - 2018/12/07(Fri) 23:13 No.11471

皆様 度々失礼いたします。

勘違いしておりました。1968年なら既に新番地になっています。
で、グーグル地図で文京区本郷1−10−9 と入力すると、なんと、「エイコービル」とあって、
ビューで見ると、その宣伝の写真とよく似た(かなり年季の入った)小ビルが現存するじゃないですか!
添付地図の左上隅です。





Re: アストロ光学と小島修介氏   ガラクマ - 2018/12/07(Fri) 23:55 No.11472

garakuma.gif  エイコーは、人の姿が見えにくいメーカーですね。
一度昭和40年ごろ倒産して千葉光学硝子が買い取った、ということはお聞きしたことがありますが、分かりません。

だいたい、小島修介氏の日本テレスコープからSWIFTに卸していたのを、鋳物を納めていたタカハシさんが引き継いだ、ってのがタカハシの天体望遠鏡への進出の機会だったと、ありました。
SWIFTの望遠鏡はエイコーの望遠鏡そのものです。小島修介氏とエイコーとの関りはどんなだったでしょう。
エイコーも古くからの企業だったらしく、さてさて。

エドさんか、ロッドさん。それとも  >>>>>>>>>>>>>>>>
新スレいけますか。




Re: アストロ光学と小島修介氏   エド - 2018/12/08(Sat) 00:26 No.11473

ガラクマさま 皆様

度々で本当にスミマセン。。。
エイコーのスレを立てるのはまだちょっと、、、と思います。
それほど広く奥深いですよね、エイコーは。戦前からですし。。。
その前座としてアストロとエイコーの関係を探るなら良いと思いますが。。。
エイコーなら私が10回くらい法務局とかへ行かなくてはならないのが見えています。
青色つきこさんが今、最もエイコーに興味ありそうですが、ご意見を伺いたいと思います。




Re: アストロ光学と小島修介氏   ロッド - 2018/12/08(Sat) 01:18 No.11474

エド様
私もそう思います。
アストロの話題で、もう少し行きたいですね。
↑の藤田光学を検索してみましたが、無関係と思われる同名のメガネメーカーだけでした。

もう皆さんご存知かもしれませんが、とても面白いサイトを発見しました。↓

わが国の双眼鏡製造技術の発達史
https://www.kahaku.go.jp/research/publication/sci_engineer/download/31/BNMNS_E3104.pdf

日本にこんなに多くの光学メーカーがあったとはビックリです!!まさに世界一ですね。
カートン光学、エイコー、東邦光学、千葉オプチカルなども載っていました。

ところで話題とは無関係ですが、さきほどウィルタネン彗星見えました!
2cmファインダーでも良く見えたので、5〜6等でしょうか。
ずっと天候が悪く、もう無理か?と半ば諦めていましたが、固定ですが写真も撮れました。
7日22時11分、iso3200 8秒露出 135mmF2.5大幅トリミング、右が西です。





Re: アストロ光学と小島修介氏   青色つきこ - 2018/12/08(Sat) 09:59 No.11475

エド様、ガラクマ様、ロッド様、みなさま、こんにちわ。

エイコービル、まだ、建っていたのですねぇ。まじかで見たいものです。

エイコーの調査については、エド様が言われるように、下準備が、まだ整っていませんので、
適切な時期からで良いと思います。
私的には、小島修介氏の月面観測家としての一面の整理も残っていますし、小島氏のマクロ
光学工業・日本テレスコープ社の謎もありますので。
また、小島氏の著作リスト、著作の解題も作成したいので、引き続き、みなさまからの情報
提供をお願いします。

日本テレスコープ社については、エド様が存在自体を確認してくれましたが、それ以上のこと
はわかりませんでした。
私的には、米国スイフト社の日本支店が出来た1959年5月前後ではないかと考えています。
「天文と気象」1959年8月号に小島氏の「新しい”月面の地図”の特徴」が掲載されています。
ここでは、日本テレスコープK.K.と記されています。

1959年の小島氏の執筆は、管見の限りでは、
「月面のアバタその成因をさぐる」(「科学画報」1959年3月) と「新しい”月面の地図”の
特徴」の2本。「月面のアバタその成因をさぐる」には、肩書の記載は無しです。
また、「月面の地形分類とその成因」(「天文と気象」1960年2月号)は、1959年10月に執筆で
日本テレスコープK.K.と記されています。

1960年前後の天体望遠鏡は、米国スイフト社に通じると思いますし、米国スイフト社を調査
しないと謎は解けないとも思っております。
国内」での解明の鍵となるのは、相互産業という会社(商社です)です。情報はないでしょうか。
米国スイフト社日本支店は、相互産業の中にありました。

ロッド様が紹介してくれました「わが国の双眼鏡製造技術の発達史」ですが、コンパクトに
まとまっており、年表はとても参考になります。
もっと詳細に知りたい場合には、最後に付されている資料にあたらなければなりません。
しかし、入手困難な資料も多く利用していて、手元に備えて置くべきものだと思います。




Re: アストロ光学と小島修介氏   ロッド - 2018/12/08(Sat) 11:52 No.11476

今朝も過去の記事を読み返していました。
昭和30年頃の望遠鏡業界の話は、ゾクゾクするほど面白いです。
当時のこの業界は、ものすごく元気だったのですね。
その中でアストロ光学の影響力は圧倒的だったようですね。
想像をはるかに上回るものでした。

カタログや国内広告にS-5に似た機種はよく登場していますが、R-61Dは見かけません。
しかし冨所氏の話ではこれも小島修介氏の設計だそうです。
R-51をそのまま大きくしたようなデザインなので間違いないでしょう。
私のは黒ですが、古い物は架台がグレーなので、輸出専用機だったのかもしれません。
他を見ても輸出用はグレーが多いように思います。
しかし海外サイトでは一度も見たことがないような。
R-74はよく見かけますが。
冨所氏によるとこれは月産1500台だったとか!!

あと小島修介氏について、
評価が分かれるとのことでしたが、どうやら、
先生方には好かれていたようですが、会社経営者たちからは嫌われていたようですね。
小島月面図、今ではもう入手できないのでしょうか?
冨所氏の話では掛け軸のような立派な物もあったそうです。

エイコービル、今も現存ですか!
ということは、所有者はエイコー(ミザール)で、貸ビル業ということでしょうか。
東和光機も会社もビルも現存していますが、現在は光学メーカーではなく貸ビル業ですから。
両社とも、望遠鏡メーカーとしては突出した資本力があったようですね。
「双眼鏡・天体望遠鏡ガイド」エイコーのページの写真は、このビルの屋上で撮影されたようです。





Re: アストロ光学と小島修介氏   青色つきこ - 2018/12/09(Sun) 23:48 No.11479

ロッド様、エド様、みなさまこんばんわ。

ロッド様が言われるようにに小島月面図には、教授用の掛軸
になっているものもあります。
掛軸は別にしても、小島月面図ですが、現在でも入手できる
のかはわかりません。地人書館に聞いてみようかと思います。

小島修輔氏が接眼鏡について、「反射望遠鏡製作ガイド」
(「科学画報」1956年7月から9月号)の中で、述べている箇所
と接眼鏡のレンズ構成図を貼付しておきました。
(自社の接眼鏡でしょう)

アストロ光学のケルナー式は視野レンズが両凸、アクロマート
ハイゲン式も視野レンズが両凸です。アクロマートハイゲン式
は、全部、視野レンズが両凸なんでしょうか。
KAH式は、アストロ独自のものです。

トリプレーン式は6mmしか、存在を知りませんが、どこに起源
があるのでしょうか。戦後になって出てきたものなのでしょう
か。ライフルスコープ用と、どこかで見たような覚えがありま
すが。





Re: アストロ光学と小島修介氏   ロッド - 2018/12/10(Mon) 08:27 No.11480

青色つきこ様
興味深い情報ありがとうございます。
アイピースオタク(笑)の私はウキウキしてしまいました。

トリプレーンもアストロに縁があったとは初耳です。
私が知る限り、アストロからは販売されていませんでしたが、高橋の初代10cm反赤の標準付属品で、冨田氏がテストして「球面収差がある」と評していますが、球面収差は私には感じられません。
私はミザールから買いました。友人は高橋の物を持っています。
分解はしていないので、構造は確認できていません。
コーティングは片面しかしてなくて、残念。
全面コートならば、オルソの代用品としてとても良いアイピースになると思います。
ただしF6以下の短焦点には厳しいです。

オルソよりもレンズ枚数が少ないので、コントラストや芯合わせの点では有利です。
同じ3枚構成ということで、最近購入したK6と比較してみました。TPのほうが良いです。
今は新品が入手できないのが残念です。
これに似たアイピースは最近は、双眼鏡やフィールドスコープ等に多く採用されていますね。
アイレリーフが長いのが長所だそうで、今やアイピースのスタンダードとなっています。

AH40は双眼用に2本買いました。
S報社に無理を言って取り寄せてもらいました。Tのラベルが貼ってあるので谷光学製ですね。
KAHは知りませんでしたが、これを見るとK(ケルナー)兼用のようですね。
私のAHでも、設計は普通のハイゲン系とはずいぶん違います。
一応は負のアイピースですが、視野環がうんと前のほうにあります。

昔の望遠鏡は長焦点で、しかも接眼部が細くてK40が使えなかったので、淡い星雲や彗星を見るためにAH40は必需品でした。
見え味はマアマアで、ケルナーには少し劣るものの、F8ぐらいの少し短焦点にも使えます。
覗きにくいのが欠点です。アイレリーフは十分ですが、なんか違和感があって疲れます。

接眼部が細い例で、アストロR-61Dと姉妹機の友人所有のカートンの画像をご覧ください。
ガラクマさんがこれの鏡筒を入手されて、内筒が紛失していたので接眼部で少々悩んだという機種です。
内筒はφ32しかないので、大型アイピースは使えません。
昔のアストロの望遠鏡は小島修介氏が月面専門だったためか、月・惑星用には良いですが、彗星や星雲星団には不向きでした。

大型アイピースと言えばアストロのEr32ですが、これはφ50.8ねじ込みで昔のアストロ大型機専用で、他とは互換性がありません。
視野環はφ35.5で、φ36に付けると若干ケラレますが、十分実用になります。私のはアダプターを自作しました。
見口側にはゴムキャップを付けました。(フジノン双眼鏡用対物側がピッタリ)

追記です(12/10)
AH40の分解と、Nikonのフィールドスコープ用トリプレーンです。これは高性能でお月見用に重宝しています。
トリプレーンをケーニッヒと呼ぶ人もいますが、ケーニッヒには種類が多く、何とも言えません。
「ケーニッヒの中にトリプレーン似の物がある」ということだと思います。
ケーニッヒについてはよく知りませんが、たぶん戦前からあると思います。





Re: アストロ光学と小島修介氏   スークー - 2018/12/10(Mon) 20:12 No.11481

ロッドさん、青色つきこさん みなさんこんばんは。

「月面の地図」ですが、数年前に地人書館にたずねたところ、
在庫なく、原版も処分してしまったため、入手不可能とのことでした。

写真のものは、その後知人から未開封のものをいただいたもので、
現物をピンナップするのは勿体ないので、製図屋さんでコピーしてもらったものです。
(I塚さんごめんなさい。)

眺めているだけで楽しいです。





Re: アストロ光学と小島修介氏   - 2018/12/10(Mon) 21:03 No.11482

TPですが、手元の3B、ミザールは逆K構成です。ペンタのBも同じでした。この構成は古くはケーニッヒらのライフルスコープ用ハイアイ接眼鏡によく見られるものです。他の設計者からも見られるので起源は分かりません。短焦点アイピースの覗き易さ対策としての採用と思います。ニコンの古いOr5も同様でしょう。
AHは絞り環にレチクルを配置した時に単レンズでは収差が大きいので目側を色消しとしています。天体用は両凸ですが顕微鏡用では平凸もあります。数が出る顕微鏡の流用から始まったとは思うのですが。。。

ツアイスのアッベOrもアストロプランも元々は顕微鏡用に開発された物の改良型でしたので自然な流れです。

ビクセン古老のお話では、ER20は他用途〜たぶん双眼鏡〜の転用だったので廉価に製品化できた。PLはミクロン型双眼鏡のKアイピースの色消しレンズで試作し、予想以上に良好だったので製品化し、オズマの頃からOr扱いで市販したとか。数が出ていて安くて品質も安定したレンズで作ったPLが、3枚張り合わせでカーブも深く芯出許容誤差が厳しいアッベ式より性能が高くても不思議ではありません。




Re: アストロ光学と小島修介氏   エド - 2018/12/10(Mon) 21:25 No.11483

ロッドさま スークーさま 青色つきこさま 皆様 こんばんばわ!

KAHとかトリプレーンとか、吉田正太郎先生の本にも出てこない形式が出てきて、このスレは本当に勉強になります。
アクロマートハイゲンスは色消し2組とずっと思い込んでいましたが、実物を始めて拝見ました。
分解写真、ありがとうございます。
ところで眼レンズのみ色消しならケルナーとコスト的に同じですよね。。。発祥が不思議です。
ミザール刻印のTPとか、アストロの大エルフレとか、お宝をお持ちでウラヤマシイです。

月面図ですが、原版を処分してしまったなんて地人書館もずいぶんな。
ということは、新版の改訂版はもう出てこないということですね。
小島氏も村山先生も、もう月に行ってしまってますから仕方ないということでしょうか。
しかし前板でも紹介しましたとおり、中央図書館レベルなら保存庫にある可能性は大です。

スークーさんみたいに部屋に貼って、毎日小島氏の供養をされているのも流石です。
さらにその上からブラ下がっているものも気になりますが、、、何かのネタ振りでしょうか。




Re: アストロ光学と小島修介氏   - 2018/12/10(Mon) 23:58 No.11484

http://e-micro.jp/
の レンズ関連-接眼レンズ で、オリンパスのところにK5xという奴があります。23.2mm差込用なので視野20度くらい?ここに出ているPは色消しHだったはずです。
ニコンにも色々あるのですが、手元の在庫を調査中。。。。




Re: アストロ光学と小島修介氏   青色つきこ - 2018/12/14(Fri) 00:54 No.11487

みなさま、こんばんわ。

小島月面図、地人書館にも無いんですか。もうずいぶんと経っていますし、
手書きの月面図は需要もなくなった? 
日本の月面図は、小島月面図、中野月面図から、かぐやの月面図にかわっ
たということでしょうか。小島月面図、特徴がいろいろあって、おもしろ
いですよ。

トリプレーンですが、アストロ光学がトリプレーンの名称で初めて販売し
たと考えたいところです。でも、6mmしかないというのも不思議です。
シリーズ化しても良かったのに。エドモンドのRKEが思い浮かびます。
モノセントリック、国産では五藤光学のものしかありませんが、何でアス
トロ光学でも作らなかったのでしょうか。五藤光学に対抗するような形で
いろいろ作っているのに。小島様、もっといっぱい作ってくれれば、良か
ったのに。




Re: アストロ光学と小島修介氏   ロッド - 2018/12/14(Fri) 02:11 No.11488

青色つきこ様も、かなりのアイピースマニアですね!!
このスレは長くなりすぎたので、別のスレを立ててお話したほうが良さそうですが、とりあえず、

惑星観測者にとってモノセントリックは魅力的ですよね。
いろんな参考書にモノセンの図は掲載されていましたが、私が知る限り(70年代)国内で実際に販売されてはいませんでした。
五藤光学から販売されていたとは!初耳です。
でも、どうして引っ込めてしまったんでしょう?

関勉氏の手記によれば、昔の五藤光学には彗星観測に好適なエルフレアイピースがあったそうです。
私は早速問い合わせましたが「今はもう販売していない」という回答でした。

モノセンはダウエルからも販売されていたような記憶があるので、古い雑誌をめくってみました。
しかし、見つかりませんでした。私の思い込みによる”幻影”だったようです(笑)
トリプレーン6mmはありましたよ。69年当時2000円で、ケルナー9mmと同じでした。ダウエルとしては結構な高値です。
ダウエルは今で言えばK産業やS報社のような販売店だったので、どこかのメーカーのD品(デッドストック)を仕入れたのでしょうか。
興味シンシンですが、五藤がモノセンの販売を中止したということは性能が期待したほどではなかったか、それとも製造が難しくコストと性能と需要の問題で、中止になったのでしょう。

ちなみに私はTMBの7mm、高価でしたが思い切って買って良かったと思います。
他の7mmに比べると明るく見え、コントラストが良いです。アイレリーフが長くて覗きやすいです。
しかしコスパを考えれば、普通のオルソで十分だと思います。
ロシア製のモノセンはゴーストが出ると聞いたので、買いませんでしたが、今は欲しいと思っています。

トリプレーンは気になりますね。
名前は違うけれど今も製造されているし、
天体用ではありませんが、フィールドスコープ用なら高性能の物が多いし、種類が多いので面白いですよ。
双眼鏡をバラして取ることもできます。
最近は野鳥趣味の人が大金を投ずるので、良い品物が多く出回っています。
ただし、6mmというのはないようですね。10mm以上です。

手書きの月面図、とても魅力的で価値があると思います。
星図も、今はもう紙の本の時代は終わりましたが、私は昔の手書きの星図が大好きで、いつも愛用しています。
ウラノメトリアとスカルナテプレソのデラックス版が入手できなかったのが残念です。





Re: アストロ光学と小島修介氏   - 2018/12/14(Fri) 22:16 No.11489

アイピースを捜索していたら出て来ました。

1枚目の写真はTS、3B、ミザールのTP6です。金物も同じなのが分かります。レンズのカーブも反射光を見る限りでは同じ。2枚目がカートンのK6ですが金物やレンズが明らかに違います。見かけ視界はTPの方が広く、TPの方が覗き易いです。

3枚目は数少ない国産のモノセントリック。レンズ形式はハスチングです。焦点距離50mmなので視野は激狭。ルーペの5倍の流用と見られます。これはスカイアンドテレスコープの古いものに広告が出ていますが国内販売は無かった模様。ビクセン古老も出所は覚えておられなかった逸品。

4枚目は顕微鏡の色消しハイゲン系。
オリンパスのK5Xは5倍(50mm)でアイレンズは両凸色消し。視野レンズ、アイレンズ共に両凸。ニコンのHK5Xもオリンパスと同じ構成。ただしレンズ径やカーブは異なるので別物です。

ライツのペリプラン5Xはアイレンズは色消しです。しかし、視野レンズ、アイレンズ共に平凸。
オリンパスのP10Xもアイレンズは色消し。しかし視野レンズは両凸で、アイレンズは平凸。
・・・とバラエティに富む設計。





Re: アストロ光学と小島修介氏   ロッド - 2018/12/15(Sat) 04:10 No.11491

原さん、さすがですね。
TP3本は圧巻です。
他にも珍しい品物をこんなにたくさん!

私も先日Carton刻印のOr5を入手して喜んでいたところでした。初めて見たんですよ。
ミザールGT68に付けて離角2.33秒の二重星でテストしたところ、TPよりもシャープにクッキリと分離しました。
TPはやや甘い星像でした。対物がF15なら良いかもしれません。
ご無沙汰している間に、3B刻印のSR4mm、ニコンやオリンパスの高級顕微鏡用正体不明のアイピースもいくつか入手して、天体用にも良い性能です。
↓は台湾のメーカーの40mm60度、トリプレーンのような形式です。
3枚構成でケルナーよりも視野がずっと広く取れて、しかも像が良い。効率の良い設計です。
特殊ガラス使用でしょうか。

「望遠鏡光学・屈折編(吉田正太郎著)」を久しぶりにめくってみたら、ケーニヒについて詳しい記述がありました。1910年から1938年頃まで活躍したカールツァイス社の技師です。
トリプレーンやビクセンE20に似た物も掲載されていました。



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