λ/20 投稿者:
ガラクマ(管理人) 投稿日:2008/05/10(Sat) 23:16 No.3265 |
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”λ/20”ってすごく魅力的な響きです。 実は、これまで所有したことがありませんし、覗いたこともありません。 凄いんだろーな〜。ってところから、ちょっと怪しんでいた記憶もあります。 細かいことを言えば、すずぽんさんのご紹介のパンフでも、「周縁で誤差が最大値λ/20・・フーコーテストで表面メッキの前後で確認」って、ミラーにメッキした後でフーコーテストでそんなこと判定できるのでしょうか? ただ、当時としては高精度であることは変わりない信じます。みなさん、例えば最近のオライオンとか、MT100,MT130あたりと比べてどんなでしょうか? それよか見えるということでしたら、プレミアものですね。 |
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Re: λ/20
すずぼん - 2008/05/10(Sat) 23:47 No.3266 |
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ガラクマさん、こんばんは。 私も所有したことも、覗いたことも現物を見たこともありません。 全然詳しくないので、理由はわかりませんが、主鏡の鏡面精度はλ/8、λ/16というのは見たことがありますが、確かにλ/20は見たことがありません。8の倍数なのは何か意味があるのでしょうか。
ところで、あの広告は天文雑誌の裏表紙ですが、バランスウェイトの位置がそれぞれ微妙に違っていて、「芸がこまかいなあ」と思いました。(笑) ひょっとして、どれもバランスが取れていなかったりして・・・。(サブスコープが載っているのは絶対無理でしょうね。)
どこかの掲示板で「λ/20なんて、あり得ない誇大広告で売っていた」といったことが書かれていたのを見たことがありますが、あの当時の物作りの姿勢を考えると決してそんなことはないように思います。先日、入手したミザールの10cmF10鏡筒もとてもしっかりした作りで最近の中国製の大量生産製品とは違うように思えます。是非、実際に使用されている方のインプレッションをお聞かせいただきたいです。 |
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Re: λ/20
ひぽぽたます - 2008/05/11(Sun) 00:32 No.3267 |
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ガラクマ様 すずぼん様
以前、120mmですが所有していました。既に売却済みですので記憶ですいませんが・・・。確かに当時の一般品といわれるものよりもフーコーテストによる誤差は小さく、面精度として四捨五入すればλ/20と言っても良いかな?という状態でした。但し、面全体の滑らかさという点ではタカ●シ製品の方が優れておりどちらが見えるか・・・と言われるとタ●ハシ製の方に歩がありましたね。だた値段も性能の内という現代の考え方を入れると圧倒的にミ●ールの方が上でした。ご参考までに・・・。 |
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Re: λ/20
コメト(^0^) - 2008/05/11(Sun) 01:29 No.3268 | |
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ここでの“λ/20”って良く分からん数値です。 すずぼんさんの3261のカタログを検証すると、普通にはフーコーテストで言ってる軸上誤差(加工エラー=焦点距離の バラツキ)が焦点距離の1/何千〜何万だから反射表面の加工エラー(凹凸のP-V値)がλ/○と推定される。。となる とこが、いきなり反射表面の加工エラー(P-V値)が±0.027μm以内だからλ/20以内。。となっているので、論法が おかしい。言いたいことはよ〜く分かり、実際、そこまで精度もあったと思いたいトコです。 数値的には合っててもフーコー法が示す値はあくまで焦点距離の誤差の筈。実際の誤差は干渉計とかで計測の補償 をして表現すべきかと存じます。まして、カタログでメーカの信用を示そうとするなら、余計にやるべきかと。。(°°;
少なくても現代ではハルトマン法とかロンキー法が分かり易い。面のスムースさは写真が良いかもネ。 この時代にそれを求めるのは酷な話かもしれないし、アマチュア的には分かり易いのだが、個々に計測したならデータ シートとか在る筈。2回も測っているのだから数値があり、データシートが当然、付けていて不思議が無いので、見たい 気がする。その表現がフーコーテストの値なのかそれを元にした推定値なのかも知りたいとこです。(^_^; 少なくても“λ/20以内でございます”では困るので“○○の結果、λ/21と計算されるので合格”とかでないと。。 この時代では高い買いもんだし。。今でもか?
λの表現としては元々が波動光学的に計算上で実用とされるλ/4では確かに甘い像なので、実際にはλ/8からが 実用的に問題無いとしていて、λ/10とかλ/20とかは上の理屈からして数値の丸め(まとめ方、取り扱い)を行う上では おかしな表現になっているようです。 誤差を計算すれば数値的には出て来ても不思議はないが、元々の表現を実行すればλ/4の偶数倍なのでは? 波長誤差を直接計測出来る場合は違和感無く、出て来た数値ズバリでやってますネ。そんな時代かと。。 (°°;)
※文章に一部間違いがあり、訂正しました。 |
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Re: λ/20
minoru - 2008/05/19(Mon) 22:38 No.3301 |
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みなさん、こんばんは。 昨日、AR-120SL λ/20とH-100を見比べました。 残念ながらAR-120SLの圧勝とはなりませんでした。 H-100は優秀との神話を確認した結果になりました。 谷K20mmでの見比べでしたのでPL20等なら別の結果になったかも? @ 口径よりも F10>F6 Fの大きいH-100のほうがKに有利 A 斜鏡径の差 1/4.5>1/2.8 斜鏡大きいAR-120SLが不利に B 倍率の差 50x>30x 倍率の高いH-100のほうが見やすかった C 双眼と単眼の差 H-100ツイン>AR-120SL単眼 双眼の方が見やすかった D単純にAR-120SLのミラーが不良 んー、なんでだろう???
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Re: λ/20
すずぼん - 2008/05/19(Mon) 23:11 No.3303 |
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minoruさん、みなさんこんばんは。すずぼんです。 minoruさん、私はやはり@とAが原因のように思えますが、いかがでしょうか?
120SLと130SLは鏡筒径が同じとの話しが出ていましたが、斜鏡の大きさも同じなのでしょうか? ニュートンの斜鏡による中央遮蔽の大きさは見え味に大きな影響があるときいたことがあります。個人的には12cmF8くらいのニュートンがあったら惑星用に1本ほしいなあ、と思ったりしています。 |
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Re: λ/20
原 - 2008/05/20(Tue) 21:57 No.3306 |
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ええっとですね。。。。 まず、光路長差1/4波長以下・・・という基準は恒星像の周囲の回折リングの強度分布を見比べたり、分解限界に近い二重星を高倍率で観察して分かる物です。minoruさんの倍率では低すぎで、差を肉眼で認識できません。最低でも口径mmX10倍以上、シーイングが許せばX20倍くらいまでがんばって見比べないと無理です。(できればそれ以上の倍率で像が破綻しないかどうか確認するとか・・・)本当の1/20波長以下の像と1/4波長程度の像を見比べて差を見出そうとすると、惑星像を相当厳密に観察するとかしないと(当然、観察力も必要)分からないでしょう。
また、口径が違う場合には比較対象が変わりますので直接比較は難しいです。分解限界に挑戦するなら二重星は角距離が違うものをそれぞれチョイスすることになります。さらに恒星の明るさが違うと肉眼の生理学的解像力が変わるので、これまた面倒です。
あえて見比べるなら回折像を見比べて回折リングの強度が内側の第一次回折リングから順に理論どおりの明るさの低下になっているかを観察するくらいかなあ?(中央遮蔽が大きいと、この変化も変わるので考慮が必要)
さらに古スコではメッキ面の劣化によるコントラスト低下なんていう問題もあります。面精度以外の要因でコントラストが落ちていると、回折像の暗いリングの部分が明るくなってしまうので解像力が落ちます。
と言うわけで試験方法、試験対象の見直しと、コンディションも考慮が必要です。難しいですねえ・・・(T_T) |
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Re: λ/20
minoru - 2008/05/21(Wed) 23:29 No.3308 |
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みなさん、こんばんは。
はじめに、訂正です。 No.3301 計算違いしてました。 A 斜鏡径の差 1/4.5>1/2.8 誤 A 斜鏡径の差 1/4.17>1/2.85 正 B 倍率の差 50x>30x 誤 B 倍率の差 50x>36x 正
すずぽんさん、斜鏡径42mmと聞いてました。 外して測ればいいのでしょうが光軸合わせが面倒でそのままです。 あと@Aの件了解です。私もそのへんかなと思ってました。 期待が大きすぎたのもあるかもしれません。 以前同じ話題があって斜鏡の精度が原因という話もあるので、そのうち確かめてみたいと思ってます。
原さん、とてもわかりやすい解説ありがとうございます。 今日Or6mm(120X)で土星を見ました。とても良く見えたのですがH-100より上かというと?でした。 確かに集光力は上でしたが他は同じか若干下かなーというくらいでした。 期待しすぎてたのかもしれませんね・・・ |
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Re: λ/20
Gaoji - 2021/09/19(Sun) 15:48 No.12854 |
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Re: λ/20
ガラクマ - 2021/09/19(Sun) 20:16 No.12855 |
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Gaoji さん、初めまして。よろしくお願いいたします。 また、古いスレを活用して頂きありがとうございます。
λ/20というのはおいといても、よくできた使いやすそうな望遠鏡ですね。 写真では隠れておりますが、AR-1赤道儀にはMMD-QZにスリップクラッチ付きでしょうか。スパイダーも薄く、ドロチューブの長さ太さも考えられているようです。 一部の方には、MT-130より価値を感じるかもしれません。
土星も一発撮りとしては、よく写っていると思います。 お宝ですね。 |
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Re: λ/20
いとい - 2021/09/21(Tue) 02:16 No.12856 | |
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ミザールのλ/20鏡筒には憧れました。 なつかしい! アルテア15もあり、ミザールさん凄かったです。 |
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Re: λ/20
kinkuro - 2021/09/21(Tue) 07:47 No.12857 |
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こうなると、ASTRO λシリーズも気になってきます。 |
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Re: λ/20
Gaoji - 2021/09/21(Tue) 23:17 No.12859 |
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ガラクマ様 早速ご返信いただきありがとうございます。 お察しの通り、AR-1赤道儀にはMMD-QZにスリップクラッチ付きです。 私もスリップクラッチを間違った使い方をしており、確か本掲示板だったと思いますが 正しい使い方を参考にさせて頂いた一人であります。ありがとうございました。
本機120SL-RS20Pは、天体望遠鏡博物館のHPでも紹介されていますよね。 その中で「メンテナンスを行った吉川氏のお話では、この鏡面は裏面まで丁寧に加工されており、 研磨職人の人柄が偲ばれるとのことでした。」とのコメントが書いてありましたが、 その研磨職人とはどのような方(会社)だったのか、興味が沸くところです。 |
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Re: λ/20
Abbebe - 2021/09/25(Sat) 01:57 No.12867 |
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この手の話題になるとどうも口を出したくなるAbbebeです。こんにちは、 回折限界まで使う結像光学系の合格ラインは波面誤差P-V値 λ/4 ですが、 波面誤差は鏡面誤差による光路の1往復分(2倍)になるので、 鏡面誤差の合格ラインはP-V値 λ/8ですね。 λ=0.00056mm(可視光緑)とするとλ/8=0.00007mmです。(設計値放物面との誤差P-V値) 波面誤差はそもそもザイゴ(フィゾー式)とかの干渉計で測るものなのですが、 (レーザーの関係でλ=0.00063として測定されるので後で補正必要ですが) 幾何的縦球面収差量として フーコーゾーンテストでも算出出来るというのが木辺さんの方法ですね。 木辺さんの本の中で御本人も書かれておられますが、λ/〇をいうなら少なくとも ゾーンテストデータを付けろ!と、そういう世界ですね。 |
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Re: λ/20
Chris - 2021/11/26(Fri) 03:48 No.12926 |
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Re: λ/20
ガラクマ(管理者) - 2021/11/26(Fri) 10:39 No.12927 |
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Chrisさん。ありがとうございます。
笠井トレーディングさんが、海外にミザールさんの望遠鏡を売っていたということと、 そのようなカタログの記載があったのを、初めて認識しました。 (同社ならと、特に驚くこともありませんが・・・)
ただ、ミザールさん側の説明文を見つけられません。 http://yumarin7.sakura.ne.jp/retrokan/Mizar1988.pdf このカタログでは、「厳密な検査をメッキ処理の前後に2回実施して、1枚ごとに保証書を添付」とあります。 ”保証書”というところが、少し気になります。 計量証明事業に関わってきた私にとって、トレーサビリティがとれた検査体制での検査報告書なり検査証明書というのが欲しいところ、”保証書”でもいいんですが、同じ意味合いのものか興味があります。
どなたか、持っておられないでしょうか?
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Re: λ/20
Chris - 2021/11/27(Sat) 05:11 No.12928 |
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Re: λ/20
ガラクマ(管理者) - 2021/11/27(Sat) 23:44 No.12929 |
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灯台下 暗し "Can't see the forest for the trees"ってとこでしょうか。 お恥ずかしい。 ただ、現物はみたことないので、また見てみます。 |
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Re: λ/20
Abbebe - 2022/07/01(Fri) 12:59 No.13074 |
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この例は鏡面ではなくてφ40の球面レンズ面ですがレーザー干渉計で測定した面形状精度データーです。 PV値でλ/8、RMS値だとλ/45です。 細かいことを言うとレーザー干渉計だとλ=0.633μなので可視光の0.555μに換算すると PV値≒λ/7程度ですね。 このように形状誤差は波面誤差として測定出来る訳です。 許容値は波面収差PV値λ/4なので 鏡面誤差なら1往復分で2倍されるのでλ/8 屈折面なら≒λ/2(従ってこのデータは十分OK品) そういうことだと思いますよ。
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Re: λ/20
ガラクマ - 2022/07/03(Sun) 00:32 No.13075 |
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当時は、波面収差やRMS値なんて使わなかったので、鏡面誤差なかったかと思います。
話は、少し横道っぽいですが 昔の望遠鏡好きの方は、面の滑らかさのことをよく言います。 同じ公表面精度、設計どおりできていても、それは光線のピークがそうなっているだけで、鏡面滑らかさの有無によって、フォトンサイズの微視的に見たら、中心光線に集まる割合(まあ、Q値っぽいものでしょうか)で差が出る。ってことを言う方がおります。 私は、その真偽自体分かりません。
そもそもメッキ厚みの均一性が悪く、コーティングがない時代、再メッキした時点で、王水とかフッ酸とかで処理したら、研磨時の面制度が維持できたかは分かりません。
そんな感じで、昔の望遠鏡語をおおらかな気持ちでみると、見えなくても、 |
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Re: λ/20
Abbebe - 2022/07/04(Mon) 21:00 No.13078 |
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木辺さんとかが言われている良鏡は面が滑らかというのは面粗さが細かいということではなくて、段々面とかリング状面とかになっていないということで、結局はP-V値が同じでもRMS値だと小さい状態で、要は「見え」はP-V値でなくてRMS値に付いて回るということで、現在反射望遠鏡以外の回折限界系光学系の世界で普通に言われていることだと思います。 フーコーゾーンテストでは輪帯数データが足りなくてRMS値の概念が使えなくてP-V値しか算出出来なかった訳であって、レーザー干渉計でRMS値が算出出来るのであればRMS波面収差値で判断すべき(例えばマレシャルの限界:RMS値λ/14で判定すべき)というのがより現実的だと思います。 実際のところRMS値までは踏み込まずに、少ないデータで判断出来る方法として、木辺さんとかは波面収差P-V値λ/4、但し滑らかな面であること!を良鏡条件と主張しているのだと思います。 いかがでしょうか? 波面収差は鏡面形状誤差の2倍になるので鏡面精度は2倍必要ということは共通事項ですね。 |
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Re: λ/20
ガラクマ - 2022/07/04(Mon) 23:24 No.13079 |
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Abbebeさん。お詳しい解説ありがとうございます。
確かに、木辺さんの時代のお話はそうだと思います。 ただ、昔の望遠鏡好きの一部の方の言う、表面の滑らさは、 例えば測定結果が同じ鏡でも、中国製の鏡は滑らさがないのでコントラストが悪い。とかいう感じで、表面の粗さを言っていると思います。 レーザー干渉計のレーザースポットよりもっと小さく干渉計の値にでないキズや凹凸のことと思います。
最後の仕上げがベニガラか酸化セリウムか、昔は紙で磨いていたとか、またはその中でも種類や方法が違う。とか、 そんなところが効いてくるのではと思いますが、この議論も実際、機械的、物理的に測定することが可能なので、見てみたら分かることとは思います。 それを見たことはないです。 半導体工場では、原子1個レベルの凹凸が直接見えたかと思いますが、そこまでいかないでも、普通に高解像度の顕微鏡とかではすぐ分かるとは思います。 |
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