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ガラクマさん、こんばんは。 TS90と50の写真リンクありがとうございます。TS50のようですね。
この本はこれまで読んでいて、下記の特徴があるように思います; @過去のドロンド、クック、クラーク、ツァイスなど有名な望遠鏡製作者/会社の話は物語としても面白いが、それだけでなく20世紀後半のアクロマート屈折(Swift, Tasco, Unitronなど)、初期のアポクロマート屈折(タカハシ、アストロフィジックスなど)やカタディオプトリック(クエスターなど)などのモダンクラシックの話題も含んでいる。 Aこれらの望遠鏡を現在でも使用している人へのインタビューやレポート(望遠鏡の見え方、最近の望遠鏡との比較、スターテストの結果など光学的な話)が随所に載っている。 B著者のクラシックテレスコープ、特に長焦点アクロマート屈折への思いがこの本を通して流れている。(特に、第6章と第10章)。 C天文書にしては文章の表現がやや文学的なところが所々ある(聖書やラテン語慣用句の引用など)。特に、最後のエピローグはSailing to Byzantiumというタイトルで、天体観測への想いをアイルランドの詩人イェイツの有名な詩「Sailing to Byzantium (ビザンチウムへの船出)」を引用して書かれた文章です。詩では東ローマの都であるビザンチウムが理想郷として象徴されていますが、ここでは日常の生活を離れ天体観測に浸ることの象徴となっています。大切な望遠鏡を室外に持ち出すところを”Like Queen Cleopatra of old upon her litter(担いかごに乗った女王クレオパトラのように)”と喩えたり、文学的表現も見られます。
残りの章は3つ(11, 12, 13)なので来月上旬には読み終えたいと思います。 |
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