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望遠鏡テストの功罪
- [1] イムラ - 2005/01/30 10:11
- 天文ガイド1985年2月号、臨時増刊スターウオッチング誌に創刊20年を記念しての広告史が載っています。
これはこれで大変興味深いのですが、ここに富田弘一郎先生が寄稿され、望遠鏡テストの功罪について思い出を記していらっしゃいます。メーカーとの攻防や、様々なご苦労が分ります。
『望遠鏡をテストするが日本の小型望遠鏡を世界の一流の域にまで向上させたと思っています。多くの失礼な苦言を受け入れてくださって、どんどん製品の改良に務められたメーカー各社のおかげでもあります。しかし、望遠鏡の価格を吊り上げる作用も少なくなかったのでしょう、ユーザー各位には申し訳ないとお詫びしなければなりません』
と書いておられます。
他にも、日本の望遠鏡メーカーの流れや、ここでも良く話題になる酷似望遠鏡の種明かしにつながるような話題が多く、是非ご一読をお勧めします。
その中から一つ、静岡県沼津市にあった(今もある?)堀口光学をご存知の方いらっしゃいますか?当時、対物レンズの研磨を一手に引き受けていたそうです。したがって、レンズの一般的な性能差は認められなかったのだと・・・。
- [2] Shinba - 2005/01/30 10:55
- その冨田氏の記事は記憶してます。その号はとってあると思うんだけど・・・・。
記事のなかでいちばんよく覚えているのは、焦点距離は格納箱の大きさから決められたというもの。
昔から、口径6cmで焦点距離910mmの半端な10mmの理由が疑問でした。研磨の誤差吸収用かと考えたりしたのですがそれも変。この疑問があの記事で解けました。格納箱を作る板の定尺寸法から逆算された焦点距離だそうで、目から鱗。
これは私の仕事についての考え方にも影響を与えました。最初が肝心から終わり良ければ全て良しで、終わりのほうの工程から逆に考えるようになりました。
発想の転換というより、発想の逆転。
ずうっと忘れずにいた小さな疑問がひょこっと解ける瞬間は至福の一瞬、祝杯、飲みすぎ、健康に悪いので、たいしたことない疑問は忘れるように(^^;)
”功罪とはあまりカンケイありませんでした”m(__)m
- [3] ロッド - 2005/01/30 11:33
- 五藤光学創始者の方による「天文夜話」によりますと、堀口光学は元五藤光学におられた堀口氏が退社後設立されたのだとか。アストロ光学や高橋製作所と懇意にされていたようです。「上の下」ぐらいの対物レンズを大量生産して、いわば普及品という位置付けだった(つまり最高の物を追求する五藤光学とは一線を画する)と書かれています。多少の当たり外れがあったのかもしれませんが、少なくとも私が使っている物は優秀品だと思います。高橋65mmD型3枚玉セミアポも堀口光学の作だと、社長ご自身が「星の手帖」に書かれています。
- [4] ジーク - 2005/01/30 13:38
- >焦点距離は格納箱の大きさから決められたというもの
同じような話が他でもあります.例えば,スペースシャトルの荷物室の大きさは,ハッブルスペーステレスコープの大きさを基準に決められたそうです...
富田氏と言えば,ボールスクリュー駆動の自作赤道儀を自宅に作っておられました.素晴らしいセンスを感じさせられます.
- [5] ジーク - 2005/01/30 13:40
- [同じ]というよりも[逆]だったかも.ミッション重視という点で,シャトルは6cm屈折とは逆の正統的路線か...
- [6] コメト(^0^) - 2005/01/30 21:18
- ボールスクリュー駆動の赤道儀。。。サイパンで見ました。
2本のボールネジを対象の位置に置いて、片方の駆動が終了するともう
一本が受け継いでホイールを回す。斬新なアイディアに深く深く納得。
これが天ガに紹介された時、駆動方法の革命!と思いましたが、現実は。。
根本的にはパソコンでコントロールするしかないのですが、強度を確保
するにはホイルやギヤでは不足で、太陽炉や電波望遠鏡では更にメカニック
な方式が主流のようです。三本の位相の違うシリンダで爪を出し、センタ
シャフトを回すとか油圧シリンダで駆動するとかなんですが、専門外なので
パス。誰か詳しく教えて〜。 m(_ _)m
以前に堂平天文台に行った時、ハセックと言う土木工事用の大型ギヤボックス
でレーザトラッカの駆動をされていて、「大きいとこれなのか・・・!」
と驚きました。何でも富○氏は土木課出身とか伺いました。やる人はやる!
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