試作-・ ヘッド・ビノキュラー
現在このタイプの製品は両眼ルーペが主流になっています。ルーペですから眼の前に虫眼鏡を取り付けて完成です。両眼ルーペとビノキュラー(双眼鏡)を装着したヘッド・ビノキュラーでも同じのような感じがしますが、両者には大きな違いがあります。それは、ルーペの場合は倍率によって、観察の時に対象物に近付けないと見えない、という欠点があるという事です。机上に見るモノを置いて見る場合、倍率を上げるにつれて、だんだんと首を曲げ背中を折って見るようしなければなりません。これが大変な苦痛になります。ヘッド・ビノキュラーの場合は、倍率に関係なしに常に安定した姿勢で長時間観察が可能になります。ただ、両眼ルーペが広く利用されているのは価格が安い点にあるので、それはそれで十分な役割を果たしている事には変わりありません。
ヘッド・ビノキュラーは、「双眼鏡」を装着する関係で大変複雑な機構が要求されます。光軸の問題、眼幅の問題、着脱の問題、観察位置の問題、見易さの問題、重量の問題・・・etc。 従って、世の中に大量にありそうながら余り見かける事はありません。現在この装置が最もよく使われているのは、せいぜい医療の分野とか、一部の細工師などの限られた職域だけのようです。
ビクセン光学では高品質で正確なヘッド・ビノキュラーを大量生産で安価に市場に出せないか検討中です。下のサンプルはとりあえず手作りで作ってみ単なる試作品です。但し、この装置を使うには分野毎にそれぞれ違った構造が要求されますので、単一機種ですべての分野を網羅する事は出来ません。それらの事情には勿論十分承知の上での試作品となっています。