昔のオペラグラス-B
4X40のオペラグラス (メーカー名、製作年代、共に不明です。)
これはオペラグラス-Aと殆ど同じ仕様の機種です。
接眼部にかすかな刻印が見えます。WIENの文字が辛うじて見えました。
全体の大きさは、-Aタイプ より10ミリ程短いのですが、各レンズの位置は同じように思えるので、光学的仕様は同じだと思います。-Aタイプと違って、こちらの方はそれほどオモチャッぽい感じがしません。製作年代が多少は近くなってそれだけ加工のレベルが上がったためか、ネジ切りや勘合精度もしっかりしているし、加えてピカピカの安っぽいメッキ仕上げでなく全体が黒っぽい塗装仕上げなので、その分だけ上等品に見えます。
ボデイの妙な飾り模様は、金属製の薄い幕状のシールを巻いたものですが、どのようにして作られたのかその製作方法は見当がつきません。光学以外の件については解釈不可能な点が出て来てもやむを得ませんね。当時、このようなデコレーションはいろんな箇所で数多く使用されていたのだと察せられます。
この製品は、真鍮製だと云う事に加えて金属のシール巻きのため重量は増加しています。仕方がないところでしょうか。
対物レンズ部の外套を引き出すとフードになる構造になっています。アイデアですがそれほどの使用価値はありません。これは付加価値を上げる役目を果たしているだけと考えてよいでしょう。
接眼部の構造は -A タイプと基本的には同じです。接眼部全体は外す事が出来て、更に接眼レンズも取り出せるのですが、肝腎の見口部のふくらみのある箇所だけは
-A タイプ同様外せません。こちらはブリキ細工ではなく真鍮を丸く削って精度よく加工してあるので、外せる筈だと決め付け、満身込めて捩ってみたものの、分解は不可能でした。従って、ここでも光軸調整がどのように行われているのか分りません。
対物部も対物筒や枠、外套部を含めてかなり外せましたが、レンズまでは外せませんでした。
覗いて見ると、見え味は -A タイプ同様バッチリです。全く問題はありません。
然し、何か妙な感じです。何がどうなっているのかよく調べたところ、接眼レンズの視野絞環の径が何故か小さ過ぎるので、目を多少振ると、ヒトミ(本来のヒトミではありませんが。)が蹴られて真円には見えません。両眼視では左右の光軸が揃うので問題はありませんが、片目をずらして見るとはっきり分ります。アラ捜しではありません。キチンとするべき箇所はキチンとすべきでしょう。
対物部の先端金物は引き出すとフードになります。