ドイツの変な双眼鏡-1

 手元に何やら博物館の月報のようなパンフレットがあります。Dr.Hans Seeger,Hanmburg つまり前述の「ドイツの双眼鏡」と云う大作の本を書かれた著者の監修になる資料のようです。Dr.Hans Seeger氏は大変な「双眼鏡の大家」なので、開いてみると予想通りのいろんな珍しい双眼鏡が並んでいました。今回はその中から何点か選んでお見せする事にします。

ドイツ語は残念ながら全くダメです。申し訳ありません。

 上の写真は、接眼部がロータリー式になっていて回転させる事で倍率を変える、そんな双眼鏡だと思うのですが?・・・・・・。
理屈に合ったやり方で文句をつける筋合いではありませんが、光軸を取る作業がどの程度厄介なのか、経験した者でないと分らないでしょうね。かなりの熟練工であっても丸一日かけて何台も出来なかった筈です。双眼鏡開発の揺籃期だったので、いろんな設計の製品が出てきても不思議ではありませんが、ドイツがこの道の先駆者たればこその製品で、後発組の日本では幸いな事にこの種のプロセスは不必要で済みました。
 上の写真の下右の2機種は正直のところ分りません。

 接眼部がターレット式になっていて、それによって倍率を変える双眼鏡です。プリズムはダハプリズムを使っていると思えるのですが、はっきりしません。接眼部が凝った作りになっているのに反し、鏡体部、及び中心軸の貧弱なのが気になります。設計のバランスが不安定なのは機能にのみ注意が行き過ぎたせいです。当時だからこそ許された未成熟な設計と言えるでしょう。



|続く|                         |戻る|