昔の望遠鏡-3

この望遠鏡は前述「昔の望遠鏡ー2」と同じような何かを測定するための望遠鏡です。台座の細長いスケールや角度計、水準器など、形は違っても内容は同じのようです。違っているとしたら こちらの方がやや大きいという点です。

この望遠鏡は前のページの製品と機能的には同じで、より高度に設計された機構になっています。望遠鏡本体もわずか大きめで全長400ミリ程、対物レンズの径は32ミリ、倍率は推定3〜5倍程度、像は正立なので前品よりは進歩しています。見え味は上等ですが視界環がはっきりしません。1面のみコートがしてあります。但し、接眼レンズの方はノーコートです。
 長い台座は、こちらが更に長く、写真では切れていますが900ミリあります。全長にわたっって寸法刻印が刻まれています。寸法は、こちらはミリではありません。どのような基準で刻印されたのか、使用目的が不明なので分かりませんね。角度測定のための装置はかなり細かく作りもしっかりしています。本体は上下のみの動きになっていて、左右は固定で動かないようになっています。水準器は装置全体を台座に平行にするためと角度測定用に二個ついています。
 台座の裏側には2列に溝が切ってあって、接眼部の下の取っ手を使って前後にスライドさせたと思われます。

 一体何の目的に使用したのでしょうね。
 全体が真鍮で作られているので、一見、年代モノのような気がしますが、レンズにコートがしてあるので、戦後の製品なのは確かですが、どうも、見るからに古い感じがします。全面フライス加工なので特に古く見えるるのかも知れませんが -------。
 因みに、全面フライス加工に加えて、フライス面は大部分バフをかけてきれいに仕上げてあります。古い製品にはあまり見られない仕上げの方法なので、やはり戦後の製品と見る方が正しいようです。

 写真の反対側の方が混み入った作りになっているので、一見すると途方もなく複雑なメカニズムと思えてしまいます。動きの原理は簡単なので、そこまでこまかくする必要もないと思うのですが、こだわり があったのでしょうね。御立派と脱帽するほかありません。


ウラ側は混み入った作りになっています。



|続く|                          |戻る|