2007.03.21

山本製作所について

ご紹介しましょう。
○6cm屈折経緯台 
  短焦点ぎみで両軸微動に36.4mm太ドロ。A-7
○アストロS-5型似の丈夫そうな6cm屈折赤道儀。   AE-61
○8cmセミアポ屈折赤道儀。
  8cmは五藤、タカハシも未の時期にトリプレット。
  堀口光学?それともオリジナル?
○羨望の10.8cm屈赤。
 ユニトロン、アストロは約30万。18万は(買えないけど)憧れるに十分でした。 
 すいません。山本製作所の詳細は残念ながらよく知りません。
ただ、子供心に広告からして、やるな。っと思う会社でした。
1970年代前半。一流メーカー以外は、良く見えそうな望遠鏡をいかに安く供給できるか、というコスト前提の商品展開をしておりました。
そのような時期に、選りすぐりと思われる4機種のみの広告。
広告の説明も少く、直販ということで情報も乏しいところが、なんとなく憧れを増長させてくれました。

6cm屈折経緯台A-7

6cmでFl=700mmというのが新鮮でした。
当時でも、確かに焦点距離700mmの望遠鏡はありましたが、あくまで脇役でした。各メーカー900mm、1000mmのメイン機種に、そのシリーズにカートンでしたらコメットシーカーというモデルでFl=710mmを出しておりました。
それなのに、山本製作所の経緯台はいかにも自信ありげにFl=700mmのA-7のみで勝負してきます。確かに6cmFl=700mmと900mmだと、高倍は組み合わせアイピースの楽さから900mm有利でしたが、取り回し他はは圧倒的に700mmだと思います。
A-7デラックスは2000円UPでアイピースが2本ともOrになります。絶対デラックスがいいです。
(残念ながら、私のはスタンダードです)
架台
架台がいいです。両軸扇型ウォームギヤ微動付フォーク式経緯台です。
 左のクリア光学のもの、またはビクセンのジェミニエーター型と構成部品は同じものと思いますが、明らかに質感が違います。塗装が違うのです。あえて言うならミザールのAR-1赤道儀のようなガンメタ塗装です。写真で分かるでしょうか?
鏡筒は鏡筒バンドのローレットネジで固定しますが、鏡筒は軽く前後にスライドし、ネジでぴたりと止まります。フェルトの上から押さえるので、傷も付きません。
 三脚台座も変わっております。特に機能が向上する訳ではないのですが、形に特徴があります。
上下、水平微動は軽く動き、短い鏡筒とあいまって、軽快です。
 全体重量も軽く、バランスいい望遠鏡です。

←良く似て非なるクリア光学の経緯台(悪くは無い)。
接眼部、ファインダー
接眼部、ドロチューブは36.4mmネジ付一段で12cm伸びます。
凝っているのが、接眼アダプターで指のかかりやすいように掛かりの加工をしてあります。
これは、セルの止め金具(リング)にもツメの加工とは別に一周に8ヶほどカカリの加工がしてあります。オーバースペックとも思われる手のかけようです。
 動き自体は軽く、なんの問題も無い素晴らしいものです。写真も撮らなければ特にストッパーも必要ないでしょう。
ファインダーの外観はごく普通の5×15mm。シングルレンズのチープなものと思い覗いてみたら、案外見える。
分解してみたら、納得。
アクロマートで焦点調節機構もちゃんとあります。小さくてもまじめに作ったファインダーです。台座もしっかりしております。
レンズ・鏡筒
 夜、土星を見てみました。6cmとしては十分です。ただ、手近にあった、ミザールエース型に比べて明確な差があるものではありませんでした。若干色が濃く見えました。
内面反射処理の差でしょうか。鏡筒内面は、当時としては反射が少ない上等な塗装をしてあります。
レンズはノンコートでしょうか。反射は少なくはありません。光軸調整はありませんが、金属のしっかりしたセルに収まっております。
その外  箱
 箱はダンボールですが、十分なクッションがあり、梱包もしやすいもので、他のメーカーの輸送にしか使えないようなものではなく、十分保管にも使えるものです。
 三脚  三脚は特別なところはありませんが、塗りも良く、石突きもちゃんとあります。