高橋製作所製
SWIFT Model831
2008.12.29改  2008.08.15作
 海外からの情報から、高橋製作所製とはずっと思っておりましたが、今回、川天の内野さんが、高橋製作所に出向いて頂いてきたというSWIFT社Moel831と思しき望遠鏡があると聞き、送っていただきました。ご協力、ありがとうございました。
高橋製作所さんは、HPで天体望遠鏡の製作を昭和35年(1960年)に開始したとのことです。
国内一号機は昭和42(1967年)の65mm屈折赤道儀ですので、それまでの間は他社ブランドに望遠鏡を卸しておりました。どこに卸していたか、という情報はよく知りませんでした。
 右のSWIFTモデル831のパンフは1968年のもので、下のスカイ&テレスコープの広告は1961年4月号のものです。
                       

 
                            





本体(外観)                
まず、一目でエイコーの77mmだ〜。とまずは思うのではないでしょうか?確かにほとんど同じに見えます。ダウエルもほぼ同じものを取り扱っておりました。要するに主要部分は高橋製作所さんが作っていたということですね。
この赤道儀、三脚台座の固定の仕方、いかにも高橋です。P型が出たとき、よくも小さな箱に詰め込んだものだと感心した覚えがあります。
赤道儀式架台
   赤道儀。これ実は昔から馴染みがあるものです。
中学生の時に初めて買って、今のトラウマ元凶のダウエル12cm反射赤道儀のものとまったく同じです。
当時、友人の買ったTST型100mm反赤とのあまりの差に愕然としましたが、赤道儀だけは出所が同じだったんですね。

 ちなみに鏡筒バンドは縦に割れます。雲台取付金具も強固なものが付いております。
ファインダー周り
接眼部周りは美しいです。コレはダウエルなどではまねできません。
ファインダー自体も4cm10倍、十分すぎるものです。

ファインダーの止め方が独特です。2つのレバーで簡単にX-Yの調整ができます。
素晴らしく凝っております。スカイ&テレスコープの広告でもこの機構は目立っており、実はこれは最近まで輸出モデル専用かと思っておりました。

 ところが、昨年手に入れたエイコーの1967年のカタログ(→)にはしっかり表紙に載っているではありませんか。知らなんだ〜。
伸縮フード

 回転ヘリコイド式でフードが伸びます。収納に便利です。
ただ、箱を定尺で作るためと思いきや、箱は長さ940mm??

ところで、私の持っている望遠鏡の中で伸縮式フードを持っているのはBorg76mm/100mmとペンタ75EDHF。
どちらのフードが頼り無いです。特にペンタはすぐスコスコになってしまい。使い物になりません。こっちのほうがずいぶんマシです。
2段式接眼部
接眼部、ドロチューブは36.4mmネジ付2段で2段目だけで14cm伸びます。
パイプも極太、目盛り付でメッキもきれいで美しい作りです。アイピースも2段目引き抜きチューブも絞め付け環&ナイロンリングで固く絞めれます。
当時の望遠鏡に中では傑出した作りで拘りが感じられます。
アイピース他
付属の接眼レンズは
 Huy20mmとHuy.Mit6mmの表記。
 ハイゲンスとミッティンズェーハイゲンスです。
SWIFTマークはいかにも・・な感じ。
これだけで日本製ではない感じがします。
 戯 言
 eBayとか海外サイトを見ているとたくさんの見たことがない日本製の望遠鏡が出てきます。
その中で、この77mmと兄弟と思われる経緯台タイプの望遠鏡を見つけました。これも少なくとも架台は鋳物が得意な高橋さんの作とは思います。
こんなの今あっても、売れるかもと。良さそうです。