エイコー渾身の意欲作
ロッド式
反射赤道儀
 
6TH-380〜STH-5000
 私のサイトOpen当時から話題のエイコーの反射赤道儀。
おなじみロッドさん命名(?)ロッド式、他に類を見ない鏡筒構造と、
ターレットレボルバー式接眼部が特徴です。
   
(実はジャンク王さんの望遠鏡をわけ合って預かっていたものです。)    2006.08.13
↑ STH−XXXXがエイコーのモデル名の付け方とずっと信じておりました。Sが6になっていたりは たぶんSのタガネが無くて適当に代用したのでは?と思ったりしておりました。
最近天ガを見て知りました。やっぱ6THだったらしいです。

 D=114mm Fl=1200mmのスペックは当時でも珍しいものでした。ただアメリカでは4.5インチとしてよくあったサイズとスペックです。
このサイズを定尺の板から作った箱に入れるためもあったかもしれませんが、独特の5本のパイプで延長した鏡筒と、ユニトロンの影響が有ったか無かったかターレットレボルバー式の接眼部が眼をひきます。

 ダウエル(成東商会)にも良く似た外観のモデルを販売しておりましたが、同じと思われるます。(だいたい成東商会、商社だし・・)



格納箱から鏡筒をセット

格納箱はオーバースペックと思われるほどのものです。サイズは380×220×880で定尺の箱にうまく入っております。箱を提げるとガラっと中で動くものが多いですが、これはその程度が小さく拘りが感じられます。ロッド式(伸縮式)鏡筒は実はこの格納箱に入れる為のものです。
 エイコーは昭和12年、映光社として設立され、昭和37年にエイコーと改名された会社です。古くからアメリカ、イギリスなどに輸出されていたようで、eBayでもSWIFTという銘でエイコーの望遠鏡を時々見ます。スカイ&テレスコープでも誇らしげに木箱といっしょの広告があります。
 木箱は輸出販売からの要求もあったものと思います。
(このモデルの広告は見たことはありませんが)。
焦点距離1200mmとはとても思われない鏡筒の外観。短焦点反射の雰囲気です。
ネジを外し・・
ほれ、伸びました。伸ばしただけで固定できれば、伸縮式の地上望遠鏡のように、実に使いやすいものですが・・
残念ながら、そうはなっておりません。
一度抜き取って、別に穴に通しなおして止めないといけません。
 思い込んでた人は、どして?と思うはずです。
私が設計したなら、接眼部近傍に残されているリングをロッドと固定したままスライドさせて、下のリングと大型の蝶ナットで固定できるようにします。
 金をかけて良いなら、バイヨネット型で捻ってワンタッチで固定できるようにしたいです。
 残念な設計です。

赤道儀

 赤道儀は美しいものです。実は私のトラウマ望遠鏡ダウエル12cm、タカハシの初代6.5cm赤道儀とほぼ同じものです。
赤経、ウォーム歯数120枚、赤緯は独特のリンク式タンジェントスクリュー型部分微動です。調整によってはガタもなく快適なものです。
ただ、決定的な問題点があります。バランスが取れません。最も下ろしても鏡筒側が重いです。これは次のSTH-4000ではウェート軸が長くなり対策しております。
もひとつ、鏡筒の固定ネジを取り付けるのに、赤経クランプハンドルを完全に外さないと絞められません(3枚目の写真)。困ったものです。
これは後日、鏡筒バンド式になり対策しておりました。だいたい、ニュートン式赤道儀は鏡筒バンドないと、接眼部があさっての方向にむいてしまって、この鏡筒固定方法自体が一番の問題です。

接眼部 魅惑のターレット式

アイピースはH20、HM12.5、SR5mm。
最低レベルの組み合わせですが、当時このレベルではもちょっとがんばって欲しい組み合わせ。富田さんののレポートでも、H20は視野狭く(私はそうは嫌いではないアイピースですが)、H12.5mmはコントラスト悪く(同感)、SR5mmは論外(笑)との評価です。

 しかし何と言っても、この望遠鏡、ターレットレボルバーに尽きます。
アイピースより価値を感じます。取り付けは24.5mmです。接眼部もレボルバーを前提にハンドルが片方にしか付いておりません。拘りですね〜。いいぞ。

結像位置が違う付属の3個のアイピースが悲しすぎます。

セル部、ミラー、他

ここもこっております。蓋もGOOD。但し構造的に光の回り込みは必至で、遮光法を考えないといけません。筒内気流には有利です。
ミラーは厚さ12mmくらいしかないシンミラー、精度はあまりよくありません。F10超ではありますが、期待する見え方には遠いものです。
残念!
 鏡筒と真円度ももひとつ。リング金具に隙間がばっちり(確かにこれを無くす精度は難しそう)

その後のロッド式

STH-4000 STH-5000
 STH−XXXXのXXXXは値段に応じた数字が入るようです。6TH-380は38,000円、STH-4000は40,000円、STH-5000は50,000円です。なぜに一桁変わったかは不明。

<STH-4000>
天文ガイド70年5月号の広告から、STH4000探してきました。
ケプラー、ダウエルからほとんど同じ物が出ていました。
問題のバランス対策として、ウェート軸が長くなっております


<STH-5000>
ロッドさんから頂いた写真です。ロッドさんハンドルネーム由来のエイコー
の反射赤道儀です。鏡筒バンド式に変わっております。ある意味当然です。
私のダウエル12cmと赤道儀まわり、まったく同じです。ロッドさんはリサイクルショップで破格のお値段でゲットされたとのこと。うらやまし〜。

逸話   あっと驚くお話。

私のサイトから、思わず耳を(眼を?)疑うお話がありました。
私の先輩、okaさんもエイコーのロッド式を持っておりましたが、後日NTKさんに修正研磨してもらった後に手放したらしいですが、それが同じくサイトでお世話になっているminoruさんがそのミラーを手に入れお使いのこととは。ミラーにokaさんの銘が入っていたとのことで、私のサイト上で判明しました。
 そんなことあるんですね〜。

写真はminoruさんの愛機。元okaさんのミラー(D=115mm,Fl=1200mm)を使った反射経緯台です。