ミザール 10cm反射

カイザー・CX-150が出るまでは、めがね屋さんのショーウインドーを飾る天文小僧憧れの望遠鏡。
特にH-100型は歴代販売数も1,2位を争うのではないかと思うベストセラーです。

P-100/H-100型 

 70年当時、6cm屈折に満足しない小僧は10cm反射であった。
10cm反射赤道儀。通販しかなかったし、あまり名前が売れていなかった高橋はおいといて、売れ筋としてカートン、アストロ、ミザールなどが眼鏡屋のショールームを飾っていた。特に見栄えがいいのが、ミザールのH-100/P-100等であった。特にH-100は当時のアマチュア機のベストセラーではないかと思うほど、よく売れておりました。

 左の写真はP-100です。今見ても立派です。形が決まっております。F10の上に筒外焦点も取りすぎず、接眼部から先の長さも十分あり、結果として長い鏡筒がかっこいいです。
最近の筒先金具とスパイダーを一体化して短く仕上げる反射望遠鏡とは、まったく違います。
この筒の長さ、副鏡径が小さく中央遮蔽も少なく、スパイダーから先が長いことは、迷光がでにくく、光学的にもメリットがあります。
F10の長焦点とあいまって、見えて当然のスペックです。
 あと、かっこよく見えるのは、主鏡筒から離れず長いファインダーです。近いのでよけいに長く見えます。これは8×ですが、後期型は6×になりました。かっこいいのは8×、10×、使いやすいのは6×って感じでしょうか。


 そのようなベストセラーでしたのでどこにでもあり、特に数が出ていたと思うH-100は今でも簡単に手に入ります。ただ古いもので、まともなものはめったにありません。ミラーも確かある時点からマルチコートということでしたが、ほとんどの鏡は洗ってもきれいになりません。古い反射は手間がかかります。
 実はこの仕上げ当時はあまり好きではありませんでした。チリメン仕上げとでも呼びましょうか(ロッドさんとかもそう呼んでましたっけ)。なにか落ち着きませんでしたが、今は懐かしい思い出で逆にお気に入りになってきました。

 右の写真は、ロシア製MIZAR10p反射赤道儀とのコラボです。外見の立派さは負けておりません。
ハンドルの止め方は珍しいです。軸の貫通穴にネジが切っております。
 そこにファインダーネジに似たローレットネジで先がハンドルの貫通した対面に当たるまでねじ込み、ダブルナットで固定します。
 ネジの締めようで僅かにガタがでますが、一般方式よりは手で絞めやすいし、なぜになくなってしまったのでしょうか?残念です。

 R-100    これはH-100より、いいかも。

H-100/P-100の経緯台バージョン。R-100型です。
りっぱな経緯台にH-100に比べてもはるかに強固な三脚。昔は十分知りませんでしたが、こりゃ今だったらH-100よりこちらのほうが魅力的です。
 経緯台は上下水平微動付き。上下軸はスリーブ式になっております。
 こちらは、初期型。ファインダーが違います。
 通算2台ゲットしましたが、1台目はあまりにもジャンクで、写真を撮っただけで分解し、みなさんに配布いたしました。2台目ゲットできてラッキーです。
 ファインダーは当初10×。その後8×、長く立派に見えるファインダーは実はあまり使えませんでした。接眼レンズの視野も30度くらいしかなく、導入は辛いものでした。たぶん利用者の要望からだと思いますが、途中で6倍に変わりました。接眼レンズも改良され、ラムスデンですが35度ほどになりました。
25年ほど前、私も8×ファインダー持っておりましたが、レンズだけ買って6倍に変えました。(写真は8×と6×)

 当時の斜鏡はギリギリサイズです。写真撮影は考慮されておりません。逆に眼視にはいいはずです。

 接眼部は特徴ありました。これが売りではありましたが、好き嫌いが分かれたものです。24.5ミリしか使えないのは不満でした。

 三脚開き止めは、工夫が不足しております。とりあえず止めてありますが。。。


カタログ

発売当時 最終型
ファインダーは10×、ウェートは一個32,000円。小僧憧れの名機です。 65,000円は定価で考えても、ちょっとお高いかも。1977年版カタログです。
端にちょっと見えるR-85型も珍しいです。