カートンと言えばスペースシリーズですが、実はその前から小口径反射の見事なラインナップがあったのです。
カートン小口径反射望遠鏡
 CL110(E)の110mm反射(赤道儀)、N105Eの105mm反射赤道儀以降、80年代にNOVAシリーズが出るまでそれ以上の口径の大きい反射望遠鏡は作りませんでしたので、カートンの反射は小口径というイメージがあります。
 カートンが活躍の場を広げてきた60年代後半から70年代にかけて、天文小僧真っ盛りの私は、望遠鏡が欲しくて仕方ありませんでした。
お金がないし、少しでも大口径と。特に60年代。小学生には6cm屈折も買えなかった時に、小さな反射望遠鏡はたいへん魅力でした。
ただ、今改めて見直すと、まったく使えないもの、立派に使えるもの。玉石混淆であったことが分かりました

  超懐かし、思悲しい。小さな反射望遠鏡。今でも大好きです。
                                                      2006.05.07作成 2006.05.15追加
CA型 卓上反射経緯台 D=45mm Fl=500mm      う〜 石!  (玉石混淆)
      へんてこな斜鏡


 鏡筒も塩ビです。
私のは筒先鏡筒がありません。
    危ないサングラス


 大丈夫だったのでしょうか?
このかぶせ式サングラス。
 それにしても、斜鏡の取り付け変だと思いませんか?二方向から押すだけです。これでは、前後は良しとしても直交する方向の調整できません。まあ、適当には合いました。
 また、短辺18mmほどある大きな長方形の副鏡からはみだす調整ネジ大きすぎます。
 チラッと見た月もボケボケでしたが、これも一要因かもしれません。小口径反射は中央遮蔽が相対的に大きくなりやすいんですが、何とかしてもらいたかった構造です。

かぶせてみてもユルユルです。間違って触るとポロっと外れそうです。私は使う勇気が出ません。事故がなかったことを祈りたいです。
 一応空気抜きの穴は開いてますので、膨張した空気で勝手にポンと外れることには対策しているらしいです。
 これを使いこなすのは困難です。鏡とか朽ちかけているとはいえ月位は見えるだろうとトライしましたが、まず導入できません。
私は目が右利きで、確かに左目用の望遠鏡、ファインダー脚も短く辛いですが、そんな私の不器用を差し引いても、無理です。
 動きをちょうど良くしようとハーフクランプに固定すると、向けようとすると塩ビ製の軽い三脚ごと動いてしまいます。コツをつかもうと左手で三脚を押さえておき、右手で望遠鏡を動かし、「月入った!」って手を離すとどっかに行ってしまっております。

まず、そこで諦めてしまう方が多かったのでは?少年の夢はどこに・・
いや、当時の天文少年はこれを使いこなすテクを身に着けたはず。。と思わずにはいられない悲しい望遠鏡です。
N84E型 反射反射赤道儀 D=84mm Fl=760mm      玉っ!  (玉石混淆)
 反射望遠鏡で、まじめに使える望遠鏡っていうのは最近分かってきました。60mm前後が境目です。
エイコーの55mm反射は使えないことは無いですが、コツが必要です。日野金属のH-65は使えます。
このN84Eは、赤道儀は微動なしフリーストップですが、向けられますし、光学系もすごくまじめな作りです。私のゲットした中古もミラー生きており、たいへんよく見えます。比べるまともな反射はないですが、口径なりの性能は十分出ております。月なども、反射特有の色収差が無い気持ちいい像が見えます。

 ファインダーを分解してみました。口径24mm5倍です。接眼レンズはラムスデンで視野角30度くらいの狭視野ですが、5倍という低倍率の為、ちゃんと合わせると使えます。24.5mmスリーブで主鏡側にも使えます。これは、その後のスペースシリーズに共通する仕様です。
レンズ側は鏡筒の長い雄ネジとリングで、フード兼用セル金具で緩めてピント調節してリングのダブルナットで固定できます。合焦機構付きです。


 接眼部はチャック式では無く、すり割り式です。
 表面加工も良いです。蝶ネジ、ワッシャーまでチリメン塗装をしてあります。

CL-3型 卓上反射経緯台  D=84mm Fl=760mm      玉っ?  (玉石混淆)
                                                                   2006.05.14
 底抜けさんが、私のHPの古スコBBSに初めてお出で下さった時にご紹介頂いたCL-3です。卓上型としては素晴らしくバランスよい形です。
ただ使うときには、もう少しピラーの足が長いほうがいいかもしれません。
 美しいですね。羨ましいです。
<底抜けさん談>  2005.11.05
実は私も皆様同様、リサイクルショップを訪ね歩き
望遠鏡を探しておりまして、そんな折に
古道具屋で見つけましたのがこのカートンの微動無し経緯台です。
84mmF9のというスペックと、包まれていた油紙が時代を感じさせます。
この筒は現役で稼働中で、大人には扱いづらいのですが
子供が扱うのにちょうど良いので観望会などに持ち出しております。

その他の小型反射望遠鏡
2006.5.14
 これらの愛すべき小型反射望遠鏡。特に卓上型は実はカートン以外にもアストロ、ケンコー他数社が取り扱っていたと思います。
大元がどこで作っていたかはしりませんが、アストロとカートンに近い筋であることは想像できます
 CL76/76E  D=76mm Fl=700mm (参考 CL-3E)
  CL76
  ケンコーブランド同等品 KR600



 卓上の経緯台、赤道儀ってかわいいですよね。実用性はともかく小ささとかわいさはいいです。足、架台の重量があるものはそこそこ使えます。60年代〜70年代前半にはいろいろまじめに作られたものもありました。
 CL76型は筒はいいです。ただ、卓上型の悲哀。すわりの悪さは、辛いものがあります。
同等品ケンコーのものをゲットしました。

右は、底抜けさんCL-3の赤道儀バージョン。アストロのXXだって言う方いらっしゃると思いますが、たぶん同じものと思います。
 カートンブランド名称不明 40mm卓上反射経緯台 (コスモTM-202)
カートン関連として、新たにコーナーを設けるほどではありませんので、こちらに載せておきます。これは、まったくのおもちゃ。斜鏡もシンプル、オチャメです。
しかしながら、興味深いですね。アイピースは一番上のCA型と同じです。同じサングラスも付属しておりました。カートンのお仲間は間違いありません。70年前後の製品でしょうか?子供たちがレトロです。