アストロの名機
R-51   5cm屈折赤道儀
入門機といえども、アストロを選ぶのは大人の選択? 憧れの名機です。

  アストロは名機の宝庫。S-5型はアマチュア天体写真には定番の赤道儀。
その子分?として小さくても、月の拡大撮影から、ガイド撮影までこなす最小の万能機R51は玄人好みの逸品。
最近、やっと手元に届きました。大事にしていきたいと思います。                             070101


スペックはD=50mm、Fl=750mm(F15)。鏡筒径51mmの細めの筒と2段ドロチューブがかっこいいです。
 長い筒、屈折だと鏡筒バンドから対物側が長いのがスタイル的には好みです。赤道儀も筒とバランスが取れております。こんな望遠鏡、今時ないですよね〜。

ただ、当時はかっこいいというよりは、最小の赤道儀って言う点が売りだと思います。小さな赤道儀といえどもちゃんと赤経はウォームギヤ。この赤道儀で200mm望遠の手動ガイドでコンテスト入選って、私ども昔人間は、手動ガイド根性でできるかもしれないと思いますが、最近の方々には想像できないでしょうね。
 筒側にカメラをつけていた写真を見たことがありますが、相当辛いはずです。バランスは写真の位置でとれてますので、相当なウェートが必要です。全体たわみそうです。ガイド成功確率は相当低かったと思います。それでも、できるか、できないか可能性があることだけでも凄い魅力でした。
 ところで、5cmマニアの方、知り合いの方にもいらっしゃいますが、5cmアクロマートはよく見えるという印象がたいへん強いです。私もダウエル5cm、タカハシ5cm(どちらもF10)を使っておりましたが、ダウエルとて一般的な6cmに近く、TSの5cmにいたっては、これが5cm?と思われる見え味でした。
 たぶん6cmより見えないはずという固定観念で見るかもしれませんが、小口径ほど限界性能に近いものが作りやすく、収差的にも有利なためと思われます。
 
 アストロも、昔から5cmモデルがあり、R51と同じくキチンとできた立派なものでした。本機もちゃんと評価できておりませんが、月をみますと6cmにも劣らない見え味を示します。惑星も見てみたいと思います。


 ドロチューブは2段。引き抜きパイプに押さえねじが付きます。ラック&ピニオンのほうには固定ねじがありません。しかしながら、こちらのほうがフリクションがありますので、どちらか一方というとでしたら、こちらのほうでしょ。他社にも同じような構造はありました。
 筒には遮光環が2枚。ドロチューブにも1枚あります。塗りもいいですが、接眼部近くに光る部分があります。位置的には影響は少ないとは思います。
 セル部は光軸調整はありませんが、分離式です。フードは差し込むだけですが、逆にキャップはねじ込みです。キャップをねじ込む時にフードを押さえてないとフード毎回って島しまいます。キャップをねじ込むフードの内側部分が白塗りなのが気になります。
 赤道儀   当時最小の実用機
 赤道儀は基本構造は同じですが、いろいろなバージョンがあります。
左のわたしのは、前の持ち主が適当な塗装をしたようで、荒れております。
本来は真ん中の常連さんから頂いた写真のように黒の艶々です。

 真ん中の写真のは1970年前後のもので、’69双眼鏡/天体望遠鏡ガイドに乗っているものと同じです。73年ごろになると赤経ハンドルがフレキシブルになります。
 右の写真のは80年前後のカタログの写真で、私のと同じです。当初、赤緯微動はスプリング式のように見えましたが、その後、タンジャントスクリュー型になりました。
歴代モデルあれこれ。
1960年台モデル
サイトの常連さんから頂いた写真です。なんといっても木箱が立派です。ファインダーは4×10.しょぼいですが、無いよりはいいですし、バランスは取れております。三脚は丸でなく角でした。
右のスペック。接眼レンズも3つもついていたんですね。9mmはいらないけど、20mmか25mmくらいに換えたほうが、適切なようで。


 このモデルより前に、ドロチューブ1段で36.4mmが使えるモデルがあったという噂がありますが、私は見たことありません。2段ドロモデルは36.4mm使えません。
1973年前後のモデル 1980年前後のモデル
 ファインダーが大きくなっております。ただ、赤緯微動はスプリング式のままです。
箱がダンボールになったようで残念です。定価40,000円です。
 接眼レンズが6,9,20mmとなっております。また、赤緯微動がタンジェントスクリューになっております。鏡筒にカメラをつける場合、スプリング式だと負けてしまうことがあります。写真撮影を意識しての変更でしょうか?