天下の 五藤光学                    2006.1.03作 2006.2.05改

  いうまでもなく、戦前から日本の望遠鏡シーンを引っ張ってきた五藤斎三氏率いる五藤光学。
私はこれまで、およびではないメーカーでしたが、最近皆様からも画像が集まり、Upいたします。
いやー。どれも違わぬ名品ばかりです。残念ながら一部しか紹介できません。

戦前から、ウラノス号への道  学習用望遠鏡

戦前 アポロン号
D=47mm、Fl=800mm
1950年代の学習用望遠鏡
スペック不明
ウラノス号
スークーさんから頂いた貴重な五藤光学の戦前の望遠鏡の資料から、アポロン号です。ウラノス号の原型がすでに出来上がっております。短いフードが特徴的です。三脚の開き止めはどうなっていたんでしょうか? hiroさんから頂いた1950年前半の頃の資料です。
ほぼ、アポロンの形です。ただ、伸縮脚が直脚になっております。
ただ、太陽を凝視してはいけません。
この場所、この望遠鏡知ってますか? 
そうです。古老さんとこのウラノスです。いまは懐かしい画像です。一応許可は頂いております。
ところで、私はず〜っと「ウラヌス」と覚えてました。違いましたね。BBSで教えていただきました。ウラノスです。フードは長くなっております。
6cm学習用望遠鏡 他
Mictakaiさんの一歩抜きん出たコレクションの写真頂きました。おもわず「はは〜っ」て一歩下がって謝ってしまう望遠鏡たちです。
 左から五藤光学6cmF20学習型経緯台、ウラノス号、ツアイス6センチです。
<MTさん談>
五藤のウラノスのように、水平回転軸が高く伸びている形は戦後、6センチF20の学習型経緯台に受け継がれていますね。テレパックが出てきて姿を消してしまいましたが古い学校の学校の理科室には、今でも残骸が見られます。           2004.9.22

天頂を見ようとすると、この形がいいです。なぜに、最近のものはこうでないんでしょう?
6cm学習用望遠鏡の経緯台部分です。凝っております。
<MTさん談>
教育実習のときに理科室からこの望遠鏡の残骸を取り出して何とか組み立てて星の会を開いたことがあります。スバルの青い輝きが一層青く感じられ、今でも強烈に覚えています。レンズは、青板2枚錫箔なしという奇妙な設計でした。
     2004.9.22

幻の赤道儀 エロス

原さんご紹介の、USエロス 見つけた資料
なんといっても、この経緯台兼用型赤道儀が特徴です。正直、最近まで存在を知りませんでした。
初めは原さんのご紹介だったと思います。”アメリカの古い資料に日本製の奇妙な形の望遠鏡が出ています。”とのことでした。
そこで調べていくと、MTさんから頂いた古い五藤光学の資料に「赤道儀の組み立て方」として載ってるではないですか。
でた〜。本物!
そしてそして。なっなんと実物がありました。私と同じ超ガラクタを好むイムラさんがお持ちでした。
掲示板に紹介されたときはビックラこいた記憶があります。みなさんもそうだったと思います。

ただ、上の三つ、微妙に違うの分かりますか?特に真ん中(画像悪くてすいません)特徴的なボールヘッド風の台座がありません。
ファインダー台座は骨太な設計です。
機構はすぐわかりました。経緯台を斜めにして簡易赤道儀として使うのと同じです。
ただ、これは赤道儀使用を前提とした、オリジナルな形です。
今で言うとカスタム経緯台+バランスウェートを同じ思想ですが、赤道儀使用中のバランスを考慮してヤジロベーのように両方にウェート軸が出ております。
南天赤道儀といい、エロス号といい当時の五藤光学の試行錯誤、チャレンジングな姿勢がよく分かります。

南天赤道儀

  BBSで話題の南天赤道儀。20cm以外にもモデルがあったようですが、資料がありません。

はじめは理屈がわかりませんでしたが、みなさんのお話から、「クロフォード伯のパラックス据付法」を可能とした構造ということらしいです。
 以下の図の機構と考えておりますが、いかがでしょう。


 動きから分かるように。天頂から南側でないと、赤道儀としての機能をはたせません。
南天赤道儀=南天(だけ)赤道儀です。決して難点赤道儀ではありません。もったいない。

昭和30年代の屈折赤道儀

D=60mm Fl=1200mm屈折赤道儀 D=75mm Fl=1300mm屈折赤道儀
赤道儀は鉄製でした。最近のものに比べ非常に重いものです。75mmは鏡筒を外してもヨイショが必要です。
左から、昭和37年製D=60/Fl=900mm用、私の6cm用、75mm用(頂いた写真をUP。素晴らしくきれいです)
特徴は赤経ウォームギヤ台座がクランプで回るようになっております。MD対策と思います。
また、フレキシブルハンドル。望遠鏡側がフレキ、ハンドル側が直になっているのが五藤の特徴。賛否あるところです。ただ、最近の軽量赤道儀では、使用不可の仕様です。
昭和30〜40年頃に理振法に伴い小学校に多数納入されたモデルです。ヤフオクでお知り合いになった方から譲っていただきました。
Fl=1200mmってのは最近ないですね。
大きくて重いです。ハイゲンスのアイピースと合わせても安定した見え方です。
ただ、不動点の高さがすでに1600mmを超えており、玄関から持ち出すにも組んだままだと一苦労です。
                      (2005.11ゲット)
当時標準的な接眼部です。鏡筒との止めネジを緩めると全体が回転可能です。片方しかノブが付いていないハンドル。ギヤ遊びの調整機構。
う〜五藤ですね〜。
アイピース、アクセサリー

懐かしい?アイピースの数々。五藤光学の真骨頂スター/サン切り替え型天頂プリズム。
正立プリズムも特徴的です。
H12.5、25mm2焦点距離アイピースも他に見ないものです。

皆さんの愛機

8cmED屈折F12.5 65o屈折(鏡筒+TS90) 16cm反射望遠鏡 スカイグラフ

ひでおさんの愛機、GOTOのEDレンズ採用の8cm鏡筒(+GOTO8cm旧型赤道儀)です。
GOTOのEDはMARK-X色が思い浮かびますが、希少?黒(白)色です。
      2004.5.11
浦野さんは、65oの他75oも持っておられ、写真頂きました。話題の少ない65oのほうまずUPいたします。  2004.5.28 武田さんから頂きました。
カウンターウェート、主鏡扉
小さいところまで手間かかっております。
    2004.7.3
しんちゃんから、スカイグラフの写真頂きました。カメラ雲台とウエート欠品とのことです。残念ですね。で、どうやって使ってるの?。。と突っ込んでみる。     2004.5.17

その他、懐かしい名機

テレパック50-SM 10cmマクストフカセグレイン 10.2cm赤道儀 A型 五藤のD=75mmFl=1300mm屈折赤道儀
メジャーなテレパックとは架台が違います。外側で固定した三脚が自作っぽくて良かったです。 ヤフオクなんかでも、相当高額で取引されている機種です。
天文ガイドの裏表紙を飾る看板モデルだったはずですが、あまり見ません。
ファインダーが違ったり、よく似たモデルがいろいろ有ったようです。三脚仕様は珍しかったのでは? <コメトさん弁>
私が帯広にいた時分に通い詰めた帯広市児童会館にあった五藤のD75mmFl=1300mm屈折の3台揃い踏み。これはクソ重くて屋上まで出すのが一苦労でした。鏡筒は良いとして赤道儀がどうも鉄の多用らしく、重量に耐え切れず運搬中に倒した人もいたらしい。