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望遠鏡についての 素朴な疑問・・

[1] ガラクマ(管理人) - 2009/04/18 22:06
管理人には、望遠鏡に対するたくさんの疑問があります。
それぞれ、時間をかけて調べていけば、分るものもあるでしょうが、そこは、ここをごひいきに頂いている「プロ」「通」の方々のご意見を伺いたいという、管理人の役得?を生かして。と勝手に皆さんの親切を期待しているスレです。
みなさん。よろしくお願いいたします。

ちょっと似たスレ。
http://yumarin7.sakura.ne.jp/10chbbs/mtbbs.cgi?mode=past&no=698

************* みなさんの質問も、もちろんOKですよ ***************

[2] ガラクマ(管理人) - 2009/04/18 22:25
 EDとかSDとか言われる低分散高屈折レンズ(とりあえずEDとしておきます)。なぜ、今でもちょっと高級ってポジションを保っているのでしょうか?
明らかに優れているものは、家電、パソコンでも価格の壁をブレークスルーして、すぐ一般的になってきます。
 低価格のカメラ用レンズにも数枚入っております。材料費の全体価格への影響もそんなに大きなものとは思えません。性能差に比べ価格差は小さく、コストパフォーマンスは十分と思いますが、今だ少数派です。
なぜに、天体望遠鏡の標準的なレンズが、今だ100年も前から大きな変化が無いのでしょうか?
なぜにEDレンズが標準的なレンズとなりえないのでしょうか?
 ?多すぎですが、どなたか解説、自論をよろしくお願いいたします。


[3] - 2009/04/19 21:52
カメラ用に大量に入っていますが、基本的に小型レンズ中心です。デジカメ用になるとさらに小さいことに注意してください。小さいと脈理も問題などが相当軽減されます。また、加工にプレスが使える種類が増えます。

プレスには2種類あり、おおまかな形状を作るだけの後工程(研磨)を要するタイプ。もう一つは一気に精密な表面形状(非球面化を含む)を行うタイプです。小型のレンズでは後者が可能となり、一気に生産性向上とコストダウンが行えます。デジカメ用レンズでは非常に増えている製法です。前者でも加工工程が数段減るのと廃水処理や産業廃棄物処理が減るので十分コストダウンになります。

キャノンさんの事例
www.jemai.or.jp/JEMAI_DYNAMIC/data/current/detailobj-3935-attachment.pdf

直径が小さいと後者の方法が可能なガラスが多いのですが、大きくなると前者でさえも少なくなります。BK7やF2なんかは大型のものや異形(プリズムとか)でも簡単に作れますが、線膨張係数が大きなガラスは不得手です。

となると少なくとも大まかなカーブ付けまでプレス出来ないガラスは高コストとなりそうです。で、プレスする金型の価格とか考えると相当数生産されないとペイしないんじゃなかろうか?
(TOAはプレス材と聞いたのですが。。。ほんまかいな??不明です。)

[4] ガラクマ(管理人) - 2009/04/20 23:27
原さん。jemaiのHPはお得意さんでしたが、気がつきませんでした。
私のサイトの初期にご紹介したレントゲンカメラと思われる口径30cm近い大きさのF1位の短焦点ミラーは焼き戻した感じがしないのに、明らかな整形ガラスでした。

またケンコーの試作品?20cmF4.5のミラーはシチュー鍋のガラス蓋を連想される(たぶん)プレスミラーです。
今開発されている鏡材はプレスの適正が大きな要素になっているのは聞いております。
次々できる新しい鏡材に、大きくても安く従来鏡材より優れた特性のものは無いか?が疑問のところです。
 圧倒的なコストパフォーマンスで従来アクロにとって変わる色消レンズができないのでしょうか?
その中で”LD”と呼ばれているレンズが、ちょっとお安く従来アクロを超えそうですね。

[5] 削除 - 2010/01/29 13:30
投稿者により削除されました

[6] コメト8^0^) - 2010/01/30 20:16
皆さんこんばんは

プレスミラーはシュミカセ対応方式とでも言うのでしょうか?
コストもそうですが、最初から軽量に出来、人にも優しいです。大型のミラーは結構重いので加工も大変です。
熱によるダラシと呼ぶ製法は以前からあったそうですが、板材からでは完全に熱歪を取りきれません。
ですからミラーには良いが、大型レンズでは問題が出ます。ヾ(ーー )

小型のレンズではゴブと呼ばれる溶融材を型押して粗く整形、その後精密型にプレスする方法とかです。
これでアニールを抜いて結構ムラなく出来る筈ですが、熱平衡の問題から大型には出来ないのでは?
よって従来のおおまかな形をプレスする方法とかあるのですが、これでは完全アニールは期待薄です。
結局、溶融釜内で大型材料を切り出して削り整形すると異方性の無い良い物が出来る、、高い筈ダ!C= (-。-

[7] ガラクマ(管理人) - 2010/01/31 07:42
 いつも思っているんですが、今から40年以上前に、F2とか3の大きなミラーと大径均一な青板ガラスに偏荷重研磨による4次曲面の量産技術を確立したセレストロンとかは、凄いと思っております。
 日本では、当時カセ系は名匠のミラーでないと見えそうにもない時代だったと思います。

ちなみに副鏡はどやって作ってるのでしょうか?ミラーですのでプレス+研磨でしょうか。

[8] - 2010/02/05 00:10
うええ、昔C8をバラしたときに見たんだけど・・・どっちだったっけ・・・インゴットだとザラザラ凸凹しているんですが・・・一杯色々バラしたので記憶があいまいです。私の所有物は副鏡がセルに接着剤のようなもの?コーキング剤?のようなもので接着されていて、接着ムラの為にアスが出ていた・・・と言う事までは覚えているのですが・・・汗・・・ああ、思い出せない。

[9] ジーク - 2010/02/05 01:41
以前、C8をばらしたものを見たときには、
鏡の円錐形の裏面が透明ですが凸凹していました。おそらく、インゴットでは。。。

[10] ガラクマ(管理人) - 2010/02/05 05:15
MEADのDS12(12インチドブ)もシリコン系?の接着剤で主鏡を板に止めてあって、剥がせません。
(どっかのサイトに剥がし方があったとは思いますが・・)

 さて、私の知識の中には30年以上更新できていないものがありまして、その中でミラーの研磨精度についてのものです。
確か木辺さんの本だったかと思いますが。
「主鏡はλ/8をよしとしλ/16で最良とする。それ以上の研磨精度で磨いてもメッキの影響で効果が無い。特に惑星用は(反射率を犠牲にしても)裏から透けて見えるほど薄いメッキにするほうが良い。ニュートン反射の副鏡は(焦点面に近いので影響が少ない為?)λ/4をよしとする」
・・・って感じの教えです。

 その感じでいくとカセの副鏡は確かに主鏡よりは焦点面に近いですが、拡大率(3〜5倍?)があるので、主鏡以上の精度が必要ということになります。
最終的には研磨精度の話にはなるので、プレスでもインゴットでもそうは変わらないということでしょうか?

メッキの影響。カセの副鏡精度の件で私の頭のなかの古いイメージを更新していただければ嬉しいです。

[11] - 2010/02/05 20:25
透過型電子顕微鏡(TEM)で蒸着面の厚みムラを見たことがあります。目的は走査型電子顕微鏡(SEM)で観察する際に蒸着する金属膜の蒸着厚みムラが観察に影響するのか?否か?を知りたかったからです。

蒸着源はタングステンボードでアルミを加熱して飛ばしました。蒸着源と被着体の距離は40cm以上。(結構でっかい釜でした)被着体のサイズはA4くらい。蒸着厚みは0.1ミクロンくらいです。。。断面から厚みを見ると被着体の表面凹凸がnm程度まで正確に反映され、厚みも均一でした。被着体の微細な表面凹凸の100倍もの厚みを蒸着しているのに、表面形状がアルミ蒸着面の表面まで反映されていました。小さな段差が残っていました。そんなわけで余り気にしなくて良さそうだ・・・と認識しました。蒸着源が点に近く、被着体との距離がある程度離れていれば問題無さそうです。蒸着物質は蒸着源から原子〜分子?クラスター?が飛び出して、後は一直線。通常の蒸着時の圧力では平均自由行程距離がメートル単位なので方向は変わりません。直線的にぶつかるだけなので均される要因が無いのでしょう。

鏡面の場合だと蒸着前後でフーコーテストすれば分かるはずですが、私は詳細に比較したことがありません。(大昔の自作ミラーは出来が悪く、2重球面だったので精度以前でした)今なら蒸着前にデジカメでフーコー写真を撮って、蒸着後に同一条件で反射率の違いを考慮して写真を撮って比較すれば分かるんでしょうけど・・・

[12] ガラクマ(管理人) - 2010/02/05 21:26
原さん。毎度お世話になります。参考になります。
さて、この話をしていると、おっと、思い出しました。ビクセンのミラーってAlの膜厚で非球面を作っていたんでしたっけ。
そこまでコントロールできるんでしたら、今では問題ないのでしょう。

以前の仕事の経験では億が付く設備だと、面内均一性はnm以下に押さえられることは知っておりましたが、さて望遠鏡屋さんの設備がどんなかなと言う点が疑問でした。
ましてや、30年前は・・

メッキのお話ついでですが、最近銀メッキが流行ってるみたいですね。

[13] (^0^)コメト - 2010/02/05 23:17
ビク○ンのミラーは回転する渦巻き構造の窓を持つシャッターで蒸発源を覆い、それを回転させて
蒸着物質の厚みをコントロールする方法ではなかったかと思います。
今だにこれをやっていると思え、機械的?な手段で目的を達成しているので、かなり対象が限られる
ように思います。どんな面でも出来ることにはならないのでは?
手段が手段だけに別のに応用出来るかもどうかもむずい気がします。( ̄〜 ̄;
電子描画みたいなマクロな方法でうまく非球面化出来ないかなぁ。。

また、nm単位の厚さでは下地のトレースに近いので、正直に表面状態が再現されるでしょうネ。
それが証拠に見えなかったような疵とかがコート後には良く見えております。(←これは良くない例ですが。。)
木○和尚の本には、厚く着いて放物面が球面近くまで戻った物があったと書かれています。
それから類推するとコートに厚みのムラが在ると、ドンドン進むと思われ、それからして薄い方が良い
となるように思います。(^0^)

[14] もも - 2010/02/06 01:38
こんばんわ、ももで〜す。
めっきの話なのでお邪魔させていただきます。
だいぶ以前にジンデン鏡を購入したのですが、めっきの仕様をどうするかを問われました。
研磨精度を生かすためにということで薄いめっきを勧められました。
確かに裏からみると風景も見えるようなスカスカの感じでした。

[15] ガラクマ(管理人) - 2010/02/06 18:07
コメトさんのお話で思い出しました。
蒸着は、ウェット処理とは違い凹凸をより顕著にする方向で進み、面疎度により厚みが変わってしまうんですよね。
特に凹凸のピッチが膜厚に近いと顕著になるので、薄いほうがよいということでしょうか。

[16] kinkuro - 2010/02/08 11:54
ということは、最近の反射率の高いメッキは面精度が落ちるんでしょうか?

[17] ガラクマ(管理人) - 2010/03/03 21:51
 最近流行っている(?)銀メッキって、昔習った銀鏡反応でつけるんでしょうか?
なにが変わって、アルミだったものが銀になってきたか知りません。酸化防止コートが簡単にできるようになったからでしょうか?

して、銀鏡反応(WET処理)でしたら薄くつけることできるのでしょうか?
精度が出そうにないような気がします。分りません。

[18] コメト8^0^) - 2010/03/03 23:14
皆さんこんばんは

銀鏡反応は着ける気になれば幾らでも厚く出来ます。着ける程に凹凸も増えて行きます。
しかし、酸化も進むみ、白濁して来るので実用には限度があります。( ̄~ ̄;
これを避ける工夫が裏面鏡で、初期の銀鏡反応の反射率の高いのを使うことが出来ます。
初期の本格的光学系への応用はこれで、酸化を防ぐ工夫はメッキの上に塗装をして防ぎます。

最近のは真空蒸着のようですが、やはり表面鏡では酸化防止をその上に行って実用です。
裏面鏡を使った例ではオリ○パスのペンタプリズムがありますが、裏面の酸化等の防止塗装に
不備があるとやはり剥がれたり、白濁したりします。
初期のタム○ンのレンズは確か表面鏡で、国産初の処置ではなかったかと思います。(^0^)


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